『恐るべき太陽』ミシェル・ビュッシ(著)平岡敦(訳)
超技巧派ミステリー。簡単なトリックなのに見事引っかかった。実にお見事! とはいえ、お話としては結構残念な感じかな。皆感情的で自己中しかでてこない。まぁフランスっぽいけど。
お話は、創作アトリエで南国の島に集まった作家と5人の女性(とその家族2人)、だがその作家が失踪、その後参加女性の一人が殺され…。
特徴はお話が一人称で語られること。だが、参加女性、娘、夫ところころ変わるので結構読みづらい。
さらにそのうち、一人称で語られる内容と事態が矛盾してきてめちゃくちゃ気持ち悪い。一体何を読まされてるのか? というのが本書のミソ。
最後に種明かしがあるが、気づけ無いもんだなぁと感服。アンフェア気味だが、面白かったので許せる。
ただ、これがやりたかったのはわかるが、お話はもうちょいなんとかしてほしかった。殺人事件起こってるのに警察呼ばなかったり、海水浴行ったりでやや興ざめかな。純ミステリファン向けの一冊。
また全然関係ないが、海外小説って、飯をゴミ箱に捨てる描写が多すぎてつらい。
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