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2019年7月の記事一覧

NHKさん、これ大河にしましょうよ! ジャニーズで!『傾城徳川家康』大塚卓嗣(著)

表紙に心射抜かれ、日本史全然詳しくないけど手に取る。 本当に失礼な話だが、正直あんまり期待してなかったが、面白くてびっくり。 あらすじ松平家の嫡男にして、尾張国の人質・竹千代は、その才を織田信長に気に入られるも、今川家との人質交換で、三河国へと移される。そこで竹千代は、申楽の師・観世十郎と出会い、駿府館で今川義元に近づく機会を得る。しかし、宿敵・義元からは、その眉目秀麗な容姿と才能を、歪んだ形で寵愛される。狂おしいほどの殺意を秘め、舞台は運命の桶狭間の合戦へと向かうのだが…

『ハロー・ワールド』藤井太洋(著)

未来が体験できる静かで熱い革命小説、誕生。「藤井太洋は諦めない、テクノロジーも、そして未来も」――宮内悠介。「何でも屋」エンジニアの文椎の武器は、ささやかなITテックと仲間と正義感。仲間と開発した、広告ブロッカーアプリ〈ブランケン〉が、突然インドネシア方面で爆発的に売れ出した。東南アジアの島国で何が起こっているのか――。とんでもない情報を掴んでしまった文椎は、第二のエドワード・スノーデンなるか? アップル、グーグル、ドローン、ビットコイン等々、ハイテク企業や技術を実名で取り

『沈黙のフライバイ』 野尻抱介(著)

スペースサイエンスに主軸を置くハードSF短編集。 どれも甲乙つけがたい傑作。邪悪な人間が出てこない本って好きだ。 以下ネタバレ感想。 沈黙のフライバイ 地球外知生体の探査機と初遭遇するお話。 電波望遠鏡が宇宙から意味ある信号をキャッチ! 解析するとGPSの宇宙版IPSであり、それの意味するところは、もうすぐ探査機が太陽系に来るという事! さあ人類はどうするのか、宇宙人とのコンタクトは成立するのか、とドキドキするものの、タイトルでネタバレしてる通り探査機は写真とるだけで素通り

『さようなら、ロビンソン・クルーソー』 ジョン・ヴァーリイ(著)

傑作短編集。以下感想。 びっくりハウス効果彗星を改造した宇宙船で太陽観光クルーズへ! しかしエンジンは取り外され、乗組員も消え、救命艇まで消えてゆく。果てはテロリストたちからの占拠アナウンス。船の軌道も変わり太陽へ突っ込んでゆく! どうなるのかドキドキしてたら、あっけなく宇宙船大破で度胆を抜かれ、その後のオチまで予想外だが、なるほどと思うと同時に、主人公に同情しちゃってなんとも悲しい読後感。 さようなら、ロビンソン・クルーソー冥王星の地下にあるディズニーランド(この世界で