感想

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『オクトーバー・リスト』ジェフリー・ディーヴァー(著)土屋晃(訳)

『オクトーバー・リスト』ジェフリー・ディーヴァー(著)土屋晃(訳)

ドンデン返しの魔術師が技巧のかぎりを凝らした前人未踏&驚愕連続の “逆行” ミステリー! 本書は最終章ではじまり、第1章へとさかのぼる。 娘を誘拐され、秘密のリストの引き渡しを要求された女ガブリエラ。隠れ家にひそみ、誘拐犯との交渉に向かった友人の帰りを待っていた。しかし玄関にあらわれたのは誘拐犯だった。その手には銃。それを掲げ、誘拐犯は皮肉に笑った……。 『ボーン・コレクター』『ウォッチメイカー』などでミステリー・ファンを狂喜させてきたベスト・ミステリー作家の神髄がここにある

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『NOVA 2021年夏号』大森望(編)

『NOVA 2021年夏号』大森望(編)

日本SF大賞受賞、芥川賞受賞作家から、初小説に挑む日本SF作家クラブ会長、日本ファンタジーノベル大賞受賞、ゲンロンSF新人賞・創元SF短編賞受賞の新鋭まで、10人が饗宴する日本SFの最前線。 「いずれ劣らぬ個性豊かな書き下ろしSF短編を楽しんでいただけるとさいわいです」大森望 ラスト4編が特に良いが、斧田小夜「おまえの知らなかった頃」が圧巻。これが新人だなんて。割と力業のお話だが、ハイテク、復讐、ファンタジー要素が相まって面白い。 また、乾緑郎の機巧のイヴは未読なのに番外

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『罪人の選択』貴志祐介(著)

『罪人の選択』貴志祐介(著)

「夜の記憶」―『十三番目の人格―ISOLA―』『黒い家』の本格デビュー前に書かれた貴重な一編。貴志祐介ワールドの原点! 「呪文」―『新世界より』の刊行後ほどなくいて発表された短編。惑星「まほろば」で何かが起きている…。 「罪人の選択」―「罪人」の前に出されたのは、一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。果たして正解は? 「赤い雨」―新参生物のチミドロによって、地球は赤く蹂躙された。スラム出身の瑞樹はRAINの治療法を探る。 SF短編4つ。短編なので『新世界より』みたいな凄み

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『南の子供が夜いくところ』恒川光太郎(著)

『南の子供が夜いくところ』恒川光太郎(著)

からくも一家心中の運命から逃れた少年・タカシ。辿りついた南の島は、不思議で満ちあふれていた。野原で半分植物のような姿になってまどろみつづける元海賊。果実のような頭部を持つ人間が住む町。十字路にたつピンクの廟に祀られた魔神に、呪われた少年。魔法が当たり前に存在する土地でタカシが目にしたものは――。時間と空間を軽々と飛び越え、変幻自在の文体で語られる色鮮やかな悪夢の世界。 とある南国の島を舞台とした短編集。今までの本は日本が舞台で、昔話的、侘び寂びな雰囲気があったが、本書は一転

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『ピエタとトランジ 完全版』藤野可織(著)

『ピエタとトランジ 完全版』藤野可織(著)

天才的な頭脳を持つ女子高生探偵トランジと、彼女の才能に惚れ込み助手に名乗り出たピエタ。トランジは事件を誘発させる体質で、次から次に周囲で人が死んでいく。 あるとき、トランジに秘められた恐るべき事実が明らかになり、人類は滅亡に向かう――!? 芥川賞作家が送るスリル×サスペンス×友情の、超弩級ガールズ・エンターテイメント! うわぁ何だこれ凄い! 『SFが読みたい2021』で知ったので、てっきりSFだと思っていたら、ミステリーが始まり、いつのまにか、テルマ & ルイーズみたいなロ

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『未来職安』柞刈湯葉(著)

『未来職安』柞刈湯葉(著)

平成よりちょっと先の未来、国民は99%の働かない<消費者>と、働く1%のエリート<生産者>に分類されている。 労働の必要はない時代だけど、仕事を斡旋する職安の需要は健在。いろんな事情を抱えた消費者が、今日も仕事を求めて職安にやってくる。 斬新だけどほっこり、近未来型お仕事小説の登場! ベーシックインカムが実現した未来のお話。野崎まどの『タイタン』は貨幣がなくなるほど労働が消えた社会だが、それよりはるか手前。何もしなくても生きていけるけど、タクシーに乗ったり、ハイソなカフェで

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『ジャマイカの烈風』リチャード・ヒューズ(著)小野寺健(訳)

『ジャマイカの烈風』リチャード・ヒューズ(著)小野寺健(訳)

ジャマイカの農園から故国イギリスへと船出した子供たちを待ち受けていたのは、海賊船の襲来だった。その日から海の男たちと子供たちの奇妙な船上生活が始まる。突発した殺人事件をめぐって、無邪気な幼い心がもたらした恐るべき結末とは―。人間についての真実を天啓のように示した、『蠅の王』にも通ずる伝説的古典。 これほど「子供」の真髄を描いた本を他に知らない。可愛く、わがままで、無垢で、邪悪。自分の宇宙をもってて、理解不能。そんな別の生き物だと痛感させられつつ、そのくせラストでは大人顔負け

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『草祭』恒川光太郎(著)

『草祭』恒川光太郎(著)

団地の奥から用水路をたどると、そこは見たこともない野原だった。「美奥」の町のどこかでは、異界への扉がひっそりと開く―。消えたクラスメイトを探す雄也、衝撃的な過去から逃げる加奈江…異界に触れた人びとの記憶に、奇蹟の物語が刻まれる。圧倒的なファンタジー性で魅了する鬼才、恒川光太郎の最高到達点。 美奥という地方をテーマにしたホラー短編集。それぞれ微妙にリンクしていて大好物。愛ちゃんの本編は別の本なんですか? けものはら用水路沿いからしか入れない、崖に囲まれた不思議な野原のお話。

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『たそがれにまにあえば 赤井さしみ作品集』赤井さしみ(著)

『たそがれにまにあえば 赤井さしみ作品集』赤井さしみ(著)

ネコミミメイドとふしぎなへびが、未知の世界へご招待。 あなたもどこかで見た事あるかも? かわいいネコミミ女の子に、よく喋るへびと、奇妙なうねうね。 ゆるやかな想像でつながっていく、脱力系ショートショートコミック! 個人誌を中心に活動する作家・赤井さしみが書き連ねてきた掌編が、待望の単行本化です。 可愛さとナンセンスに極振りしたショートショートギャグマンガ。twitterで見かけた人も多いのでは。本書はそれらがまとめられ、さらに描き下ろしが加わっており、ファン必携の一冊。紙版

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インドの貧困が読んでてつらい『ブート・バザールの少年探偵』ディーパ・アーナパーラ(著)坂本あおい(訳)

インドの貧困が読んでてつらい『ブート・バザールの少年探偵』ディーパ・アーナパーラ(著)坂本あおい(訳)

インドのスラムに住む、刑事ドラマ好きの九歳の少年ジャイ。ある日クラスメイトが行方不明になるが、学校の先生は深刻にとらえず警察は賄賂無しには捜査に乗り出さない。そこでジャイは友だちと共に探偵団を結成しバザールや地下鉄の駅を捜索することに。けれど、その後も続く失踪事件の裏で想像を遥かに超える現実が待っていることを、彼はまだ知らなかった。少年探偵の無垢な眼差しに映る、インド社会の闇を描いた傑作 少年探偵とあるので、てっきりミステリーだと思っていたのに、ホラーじゃねえか! ラストに

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