月灯りの下で 「始まりと終わり」
「ねぇ、今日セックスしようよ」
静かな雪の降る中、冷たい風が顔を通り過ぎる夜、抱きしめられて言われたこの言葉。
あたりには雪が少しだけ積もっていて、車の走る音がいつもより小さく聞こえる。
僕たちのことを知らない人が今の僕たちを見たらきっと付き合ってから間もないカップルだと思われるだろう。
「いいよ」
凪人は答える。
「そんなに悲しそうな顔しないでよ」
さゆりは凪人の肩に両手を置いて、じっと顔を見つめてくる。
「今日は楽しもう。お互いのために」
さゆりはもうこの世にはいない。彼女は病気で死んだ。
これは僕がさゆりとの思い出を鮮明に憶えておくために書いたエッセイのようなものだ。先に断っておくが時系列もバラバラで文章もそこまで上手くない。僕はどうやら物を書くのが得意ではないらしく視点も僕の一人称と三人称が時々混ざってしまっている。そこは多めに見てほしい。
愛するさゆりに向けて。
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