名古屋から子どもたちの探究心を高めよう!子どもの好奇心や意欲を高める上で大切な『大人の姿勢』とは?
こんにちは、EDUCAMPの曽雌です。少しずつ暖かくなり春の訪れを感じますね。それと合わせて花粉の訪れもしっかりと感じている今日この頃です。
昨日は、探究教室で子どもたちと一緒に探究の学びを楽しみました。
EDUCAMPでは、野外教室や冒険活動だけでなく、探究教室を運営しています。
a.schoolという探究プログラムで、様々なお仕事をテーマに、様々な実践を通して子どもたちの好奇心を引き出し、自分で考えながら表現する力をはぐくんでいます。
探究教室では社会に繋がる『答えのない学び』を考えていきます。
気になる方はこちらをチェック!
昨日は、久しぶりに低学年の子どもたちの授業にメンターとして入り、子どもたちと一緒に授業を受けました。
普段は高学年の授業をファシリテーションしているので、低学年の子どもたちの授業に入るのは久しぶり。
昨日、低学年の子どもたちが受けていた授業は、なりきりラボというクラスです。
様々なお仕事を通じて、自分の中にある考え方やアイディアを広げ、何かを作り出したり、表現をしたりすることに特化しているクラス。
普段は2か月で1つのお仕事テーマを実践していくのですが、3月は1か月の特別編。
今月は「問い編」というテーマを子どもたちは学んでいます。
僕自身、ファシリテーションやコーチングを学ぶ中で、「問い」の奥深さを日々感じるばかりです。
昨日の「問い編」では、様々な視点になりきって問いを考えてみるというワークを行いました。
例えば「イチゴ」について、様々な立場になりきって、どんな問いが生まれるかを考えるワーク。
もしも自分がイチゴ農家だったら、イチゴの育て方や、イチゴの出荷などを思いつくかもしれません。
もしも自分がトラックの運転手だったら、イチゴの運び方や、イチゴの保存の仕方などを思いつくかもしれません。
はたまた自分が、サッカー選手だったら?ピアノ奏者だったら?小学校の先生だったら?総理大臣だったら?などなど。
こんな風に様々な人の立場になりきって、その人ならばそのモノに対してどんな問いをもつだろうか?と視点を変えて考えていきます。
これ、結構難しいんですよね。
なったこともない誰かの視点になって、考えることって低学年の子どもたちにとっては結構大変です。
ここですぐにアイディアが湧いてくる子もいれば、なかなかアイディアが出てきにくい子もいるかと思います。
アイディアが出てくる子はいいのですが、なかなかアイディアが出てこないで困っているとき、皆さんならばどのように関わりますか?
ここで難しいのは、大人が手助けをしようと力をいれていけばいくほど、最初は頑張ろうとしていた子どもたちの意欲がどんどん減ってしまうこと。
こんな場面ないですか?
スポーツでもそう。
勉強でもそう。
料理でも、工作でも。
最初は困っていた子に対してサポートをしようと思っていても、中々上手く伝わらないから、いつの間にか大人の方が力が入ってしまう。
「なんで分からないの!?ちょっと貸してみて!!」
ここまで来ると、最初は頑張ろうしていた子どもたちの意欲は・・・
野外教育でも同じです。
子どもたちが頑張って火起こしをしようとしているときに、大人がつい口を出したくなってしまいます。
「違う、違う!薪の組み方はこう!そこじゃないよ!ちょっと貸してみて!」
無事に火はついたものの、気づけば子どもは火の前からいなくなり、大人だけが火おこしを頑張っている。
ここでちょっと立ち止まって自分の関わり方をふり返れればいいのですが、多くの場合こう思ってしまう。
「自分のことだろう!なんでやらないんだ!」
ついそうやって怒りたくなってしまうんですよね。
良かれと思ってやってあげているつもりでも、実は逆効果になってしまう。
大人の関わりって本当に難しいですよね。
じゃあどうすればいいのか。
僕なりの考え方をまとめてみました。
大きく4つのステップで考えていくと考えやすいんじゃないかと思います。
子どもたちの意欲を高める4つのステップ
大まかに僕自身、こんな4つのステップで子どもたちとの関わり方を考えています。
ゴールは
『子どもたちが自分自身で考えられるようになること』です。
そのためのステップは次の4つです。
①本人の中にやってみたい頑張りたいという気持ちがあるかどうかを考える
②自分でなんとかしたいと思っているかどうかを考える
③どうすれば自分の力で試行錯誤できるようになるかを改めて考える
④最初の一歩をサポートする方法を考える
①本人の中にやってみたい、頑張りたいという気持ちが少しでもあるかどうかを考える
まずはここですね。
そもそも本人の中に全く、やってみたい、頑張ってみたいという気持ちが無ければどれだけ関わろうとも、その瞬間は難しいかと思います。
ここで失敗をしても、実はあんまり意味がないかと思います。
本当はやりたくなかったのに、やらされたからだよ、、、
と誰かにせいにしてしまうことが多い気がします。
②自分でなんとかしたいと思っているかどうかを考える
やってみたいと思っていて、それを自分でなんとかしたいかどうかが次のステップです。
自分自身でなんとかしたいと思い、試行錯誤している状態であれば、基本的に見守ります。
自分の中で、これを達成したい!という目標を持てているかどうかが次のステップになります。
自分で試行錯誤しながら、繰り返しているうちに、様々な方法を試していきます。
そのときに、必要以上に手助けをしてしまうと、逆に子どもたちの意欲を下げてしまうかもしれません。
多くの指導者や大人の失敗は、このあたりにあるんじゃないかなと思います。
大事なのは、タイミングと距離感です。
自分でなんとかしようと思っているとき、子どもたちは失敗から学べる時間です。失敗したことからどうやったら解決できるだろうかと自然と頭を動かしていきます。
だからここは辛抱強く見守って待つ時間だと思っています。
もしもここで必要以上に関わってしまうと、自分が頑張りたいことではなく、頑張らされること、に変わってしまうかもしれないからです。
じゃあどうするか。
子どもたちは試行錯誤する中で、自分の力だけでは上手くいかないと分かる瞬間が訪れます。
ここで誰かの力を借りたいと思い始める、もしくは少しずつ諦めの表情を浮かべ始めます。
すごい感覚的なものなのですが、僕自身は子どもたちの目や表情から感じ取ろうとしている気がします。
このあたり曖昧でごめんなさい、、、
その状態に入ると次のステップです。
③どうすれば自分の力で試行錯誤できるようになるかを改めて考える
これ自体はゴールなので、割と最初から考えてはいるのですが、改めてその子の様子を見ながら考えます。
このあたりで、1対1で考えることもあれば、グループやチームの力を生かそうとすることもあります。
どちらかといえば、グループやチームの雰囲気や相互のコミュニケーションを生かそうとすることの方が僕の場合は多い気がします。
1対1で考えていくと、どうすればその子が最初の一歩を踏み出せるかを考えていきます。
どこまで行けば自分で(自分たちで)考えられるかどうかを考えていくわけです。
その多くの場合、最初の一歩が肝心になっていくと思っています。
まず最初に何をすればいいか、まず最初にどこから始めるかが分からないと人は一気に不安になってしまいます。
ということで、次のステップで最初の一歩を踏み出すためのサポートを考えていきます。
④最初の一歩をサポートする方法を考える
実際に子どもたちと関わっていく上では、多分ここが一番のポイントになるのではないでしょうか。
子どもたちと関わるときに、ほとんどの場合ここを中心に考えています。
子どもたちが自分たちで考えながら、勝手に自走できる状態であれば、ほとんどの場合見守っておけば良いのですが、そうではない場合に関わり方を考えていく必要がありますよね。
でも口や手を出しすぎると、その子自身が自分でやろうとする状態にはならずに、いつまでたっても頼られたまま、もしくはやる気がなくなってしまう。
だから必要最小限のサポートで留めたい。
僕がここで大事にしているのは
最初の一歩を自分で見つけた!という気持ちを持てるようにすること
だと思っています
もしも子どもたちが直接教えてほしいという気持ちがあれば、やり方や考え方を少しずつ小出しにしながらその子たちに伝えていきます。伝えるのは最後のゴールの状態と、最初の一歩の始め方です。
その上でこんな風に問いかけていくんです。
「どう?ここまででイメージわいた?」
もう少し必要であれば、もう少しだけ具体的にしながら。
そしてまた問いかけていきます。
「どう?イメージわいた?」
多分、口ぐせみたいになっているかもしれません(笑)
こんな風に問いかけながら、あとは自分で考えられそう?という意識を子どもたちにもってもらえるように問いかけていきます。
でも、直接は教えてもらいたくない!と思っている粋な子どもたちもいます。
ここは色んな仕掛けを考えます。
その中で結構使うのが、「つぶやき」という技?です(笑)
例えば、昨日の授業の中で、
クワガタに対して、パン屋になりきって、問いを考えるというワークに挑戦をしていた子がいました。
いや、これは難しい。
案の定、その子もお手上げ状態。
でも、その子自身はおそらく直接教えてもらうことをそれほど好みません。
結構自分で頑張りたい気持ちが強い子です。
それでも
「え~!!こんなん全体無理だよ!!」と諦め状態。
そこで必殺「つぶやき」を発動します。
その子に対して言っているわけではなく、ただただつぶやきます。
「パン屋でクワガタ、、、これは難しいな~。そうだな~、パン屋だから形とかかなあ、、、」
それを聞いていたその子は、「あ!!!」と何かに気づいたようで、すぐさま問いを書き始めていきます。
そこからは僕も思いつかないような問いをどんどん書き始め、気づけば10個以上の問いを書いていました。
これは僕もびっくりです。
ここで素直に驚いてみせます。
ある意味で承認のメッセージですね。
「凄いな、、、そのテーマで10個もかあ」
あとはどんどん勝手にやっていきますね!
ここまでが一つのパターン!
全体に対してこんなイメージで関わり、みんなが自分で考え始めれば、あとは僕がすることはほとんど無いんですね。
そうなれば、僕も子どもたちと同じように、一緒にテーマに取り組みます。
そこで子どもたちと一緒に、自分が悩みながら考えている姿をしっかりと見せていきます。
あとはもう、みんなで考えるのがどんどん楽しくなっていく。
そんなイメージです。
大事なのは最初の一歩。
ここを自分で考えた!見つけられた!できた!と思えた瞬間、もっとやってみたい!と思える意欲がどんどん高まっていきますね。
これってよく聞く言葉で
「スモールステップの原則」なんて言ったりします。
もしもその後、子どもたちが自分で最初の一歩を見つけられるようになったら、あとはもう一緒に取り組むか、見守るか、あえて壁になるか。などなど。
色々あるかと思いますが、そのあたりはまたいつか。
まとめると
僕が子どもたちの意欲を高める上で大切だと思っていることは
最初の一歩のサポートとサポートの後の手放し方を考えること
だと思います。
何か参考になれば嬉しいですね!
かなり長くなってしまいましたが今日はここまで!
ありがとうございました~
曽雌
株式会社EDUCAMP
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