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2022.12.30 岡山県 高梁川

前日にふと思いついた、家の隣に流れる川でのショートツーリング。

家の隣ってそんな大げさな、、、とお思いかもしれないが、歩いて2分で着く川なので本当に家の隣だ。

寒いのが大嫌いな私は毎年冬には活動性がぐっと落ちてしまうものなのだが、ことカヤックにおいては例外なのである。着用する服をしっかり選べば、意外と大丈夫なのだ。


高梁川 河口付近


上の写真に見えるのは山陽本線の線路で、毎日あの橋の上を電車に揺られながら通勤している。ここから海へはあとほんの数キロの距離で、川幅がとても広い。

この川の上を通過するときにはいつも、この川をカヤックで漕いだらどんな景色が見えるのだろうか、、、と思っていた。

(水質はそんなに良くないが冬なのでまだ透明度は高そうだ。また水中の水草が所々に見えるので水深もとても浅そうだ。天気がいい日が続けば1メートルあるかないかぐらいではないだろうか。気温が低くなってからカモがたくさん泳ぐようになっているなあ、なんという種類のカモだろう。あそこの中洲までいってカップラーメンでも食べようか。ゴミが沢山流れ着いているかなあ)

これらが電車で川の上を通過するときの私の頭の中である。笑

そんなこんなでずっと漕いでみたいなあと思っていたのである。まあこんあ計画はどうせ一人で実現するのがふさわしいだろうと思っていたのだが、ひょんなことから同乗を希望する人が現れた。

カヤックは全くの初心者なのに、勇気があるなあ。結構寒いと思うけど、カヤックが嫌いにならないだろうか、、、

そんな不安を抱えつつ当日になり、出航の準備をすることに。



組み立て式のカヤックはやっぱり物珍しいようで、川辺にゲートボールをしにきたおじいちゃんやバス釣りをしていた若い兄ちゃんなどなどみんなにそれはなにー?と話しかけられた。

これは組み立て式のカヤックです、楽しいですよ〜と、カヤックの布教活動に今日も忙しい。


組み立て式カヤック初心者の同乗者は自分の世話に忙しいが、それでいい、むしろそれがいい。濡れて寒くなってしまうことが、一番ダメだから。

足元は必ず濡れるよ!と念押ししていたので、しっかり長靴を履いてきてくれたので安心した。その他は暖かい服装だったらまあどうにかなる。もちろんライフジャケットは必須なので、私の私物を貸し出して。


川上に向かって

いざ出航。

河口付近のため川幅が広く、流れがほとんど感じられない。

二人でパドルを使って漕ぐので、面白いくらいに前へ進む。そうそう、このスピード感もカヤックの醍醐味なんだ。

この川でカヤックをしたかったというのはこっちに来てからずっと考えていたことで、ウインドサーフィンをする人や、岸やボートからバス釣りをする人、夏にはシーカヤックの講習をしているのを見かけたこともある。

それをこんな年の瀬になぜ実現しようと思ったかというと、なんだか年内中にもう一度カヤックに乗らないと、締まりが悪いなあと思ったからである。

良い新年を迎えるために。


中洲に到着!


中洲の岸は思ったよりもちゃんとした砂浜のようで、ゴミなども流れ着いておらず綺麗な状態だった。

さすがにじっとしていると寒くなってくるので、少しでも風よけになりそうな場所を選んで腰を下ろした。


コーヒー用の湯を沸かす


カヤックの荷室に詰め込んだのは、コーヒーセットと少しのお菓子。

このお菓子は、前日夜に駅前で日本への留学生らしき中東アジア系の女の子が「留学資金が足りません」と言って寒い中売っていたものだ。それが本当なのかどうなのかわからないし、量的に1,000円が妥当なのかどうかも分からなかったけれど、去り際に「優しさをありがとう」と言ってもらえたのでなんでもいいことにする。

日本人でも四苦八苦する不景気の中で、留学生の生活はきっと本当に逼迫したものなのだろう。少は助けになれたかな。

この話はこの日話さなかったので、このお菓子にそんなストーリーがあったのだと驚くだろうな。まあ話す機会は多分ないけれど。笑




岡山県には東から順に吉井川、旭川、高梁川と3本の河川が流れている。この高梁川は一級河川に指定されている。

一級河川とは、”洪水などの危険性があり国家的に管理が必要だと定められている川”のことである。

実際に2019年の西日本豪雨で洪水が発生し、もう少し上流の真備町では家の2階まで浸水する災害が起こった。大変な規模の災害であったが、この高梁川は元来暴れ川として有名で、何度も洪水を起こしてきた過去がある。

その時に被災した友人宅へ有給を使い込んで災害復興の手助けに行った話をしてくれた。

その家庭や、この友人自身にアウトドアの知識があったので本当に助かった、としみじみ言っていて、アウトドアの知識や道具の重要性、防災に関しての密接さというものを改めて感じさせられた。



淹れてくれたコーヒー


気温も低い中長話をしていたので、温かいコーヒーが本当に美味しかったなあ。

カップやらいろんなものを忘れてしまっていたので、沢山借りてしまった。私が用意したものはカヤックだけで、他のものを全部委ねてしまっていたことに休憩しながら気づいて、大変申し訳無い気持ちになった、、、まあ、持ちつ持たれつだよね。


カヤックツーリングは決まりがなく自由で、自分の性に合っている。出航場所も自分次第、漕ぐルートも自分次第、お昼ごはんも自分次第。本当に楽しい。

寒いながらもこの楽しさをこの友人も感じ取ってくれたみたいで、またしようね!と約束して解散した。

今日も布教活動完遂である。



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