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【15行小説】振り返るべからず

男は1人、人のいない崖にいた。

巡回していた警官が男に話しかけた。
君、何をしているんだ。

男は何も答えず、崖と海の方を見ていた。
怪しんだ警官は、動くな!、と男に叫ぶ。
男はその言葉に驚き、こちらを振り向いた瞬間に前から倒れてしまった。

警官はゆっくりと男に近づく。
男は動かない。
なぜか頭の後頭部から血を流し、脳震盪を起こしたのか返事もなかった。
なんでこんなことに。

警官は崖の下を見た。
何もない。
海があるだけで、周りには木も何もないのだ。
ふと男のポケットから何か出ているのに気がついた。
空の袋が2つあり、そのどちらにも、「ブーメラン」と書かれていた。




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