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傲慢と善良|辻村深月

久しぶりに本屋で惹かれる本があったので
軽い気持ちで買った『傲慢と善良』が
想像以上に面白かったので、感想を。

物語は、過保護な親の元に生まれ婚活さえも親の言いなりになる真実と、それを何も知らずに彼女が失踪したことをきっかけに彼女を探す架の話。

恋愛ができない20代みんなに見てほしい。

婚活のあの人間を査定する感覚。
過保護な親のもとでいい子に育ちすぎた女の末路がめちゃくちゃにリアルに描かれててすっごい面白い。

いい子に育つことと、恋愛や人生がうまくいく人間って真逆の位置にいるんだなと。

自分を過大評価して相手に求める傲慢さ。
正しいことだけを正しいとして生きていく善良さ。

これがどちらも婚活において、
デメリットになるということ。

正しい人間になるには、
嘘なんてつくことはもっての外。

だけど、恋愛において嘘とは駆け引きで、
そう言うのをうまくやれるひとが成功する。

わたしの友達にもいい子いい子で育って、
恋愛が全くできなくて悩んでる子がいる。

自分自身恋愛体質なこともあり、
その子の気持ちが全然わからなかったけど、
この本を読んだらすごくわかる気がした。

いい大人になっても
親に全てが筒抜けになるあの感じ。
そこがダメなんだなと。

その子にこの本をめちゃくちゃ勧めたいけど、
そんな傲慢なことはできない。

これこそ私がその子を下に見てるようで、
そんなことはできない。

恋愛対象の相手に値段をつけるような、
あの感覚はもうしたくないという架の気持ち。
めちゃくちゃわかりすぎる。

今は幸いにも恋愛で出会った彼がいて、
幸せでいる私もいつこの恋愛が急に終わって
また1から始めなきゃいけない日が来るかと思うと
不安でたまらない。

だからこそ、今の彼を今できる自分なりに
精一杯愛して信じたい。

この2人みたいに、
自分の肩書きだけではなく全てを知って、
それでも一緒にいたい。
なんて思える関係で。

結婚は周りのためにするんじゃなくて、
自分のため、2人のためにしたい。

そんなふうに思える一冊だった。

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