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岬との事を過去にするには、まだまだ時間がかかるみたいだ。 だって、まだ一年前の事なのだか…
「もう、出逢う事もないだろうけど……幸せそうで良かった。これで最後、かな……」 「せやな…
それから……。 一哉と岬は、一緒に仕事をする事がどんどん増えていった。 あたしは、そんな…
岬と過ごした日々。 岬と一緒に観た映画。 岬と行ったドライブ。 岬と一緒に行った遊園地。…
「岬さん、グランプリおめでとうございまあす♪」 安奈がクネクネと腰をいやらしく振りながら…
まずは、歴代グランプリの挨拶だ。 「歌舞伎町、スーパーライト部長、藤堂一哉さん」 紹介さ…
誰が出場するのかは、知らされてはいなかった。 拓巳が出場する事を知っているだけだ。 あたしと安奈は、その場の華みたいなもので……。 ドレスを着ていかなくてはならない。 ドレスコードが、当然のようにある。 何を着ていこう。 興奮しているはずだったが、そんな根本的な事すら決めてはいなかった。 安奈に電話をかけてみた。 「梨紗?何、どしたの?」 「安奈、今日何色のドレス着るのかと思って。被ったら困るでしょ?」 「あたしはね、真っ白のドレス着る事にする」 「白ね
全日本ホストグランプリ大会当日。 とうとうやってきた、この日。 一哉が開け放したカーテン…
毎年恒例の、全日本ホストグランプリの季節がやってきた。 全日本ホストグランプリとは……。…
「安奈も丸くなったみたいだね、少し安心した」 「あたし達、最高のライバルだと思う。それだ…
「……で、あのさ……こないだの事だけど」 こないだの事。 勿論、『キス』した事だよね。 …
今日は、美容外科へ行く予定だ。 あたしの頬の傷は、アザのように赤黒くなっている。 それを…
あたしは、その足でそのままサムサラへと向かった。 拓巳の元へ。 「梨紗?!あ、この前はあ…
あれ? 一哉ってば、名刺ケース置いていってる。 これがなくちゃ、仕事ができないだろうに。 一哉の名刺ケースは、ベッドのサイドテーブルの上に置きっぱなしになっていた。 仕事をしていないあたしは、時間ならばたくさんある。 あたしは、スーパーライトまで届けてあげる事にした。 そして、スーパーライトの店前に到着。 エレベーターを待っていると……。 エレベーターが開いた。 瞬間。 あたしは、持っていた名刺ケースを思わずポタッと落としてしまった。 何故かって……。