【受講録】デザインと観察 ② 観察をデザインにする
前項の概要も含めて、改めて観察のポイントを。
【観察のポイント】
分解して考える ... どこに、なにが、どのように。色、形、大きさ、肌理。位置、機能...。分けることで、分かる。分類と比較によって、転用が可能になる。
人の行為、行為の痕跡に注目する ... 現在、過去、未来をみる。
比較して考える ... 「AとBはどちらが優れているか」、「Aと似た役割のものはないだろうか」
観察のポイントを踏まえて、改めてデザインとはなにか?
【デザインとは】
現状を改善しようという造形的な欲求が、政治的・ぎじゅ的・地理的な要件などと結びつき、社会的な行為として成された結果のこと。
【デザインにおける良さ】
使い勝手がよい、感情に訴える、誠実、目新しい…など。
決まったものはないが、おおよそ下図を参考にするとよい。
◎Good Pointをみつける
<100円ショップでグッドデザインな商品を見つけるワークショップ>
Daisoに行って、いいデザインの商品を見つけて購入し、持ち寄る。
購入品のどこがグッドポイントなのか皆の前で発表する。
◎グッドポイントとはなんだろう?
→「~な工夫」」があること。どういう工夫がなされているか、に着目すること。例えば、数量を形で現わす工夫や、最適な行動を促す工夫など。
◎ディーター・ラムスのグッド・デザインの10の原則
⑤unobtrusive:目立たないこと。デザインが一人歩きしないこと。
⑦long-lasting:ながもちする。短期トレンド的でないこと。
⑩little design as possible:可能な限りデザインしないこと。凝っておらず、作り手・受け手に解釈のエネルギーを使わせないこと。
【観察からアイディアを得る方法】
分解して特徴や工夫を理解する。なんのために存在するか考えること。これらが観察の基本。
①記述・収集型の発想
● モノの分布図を明確にして、「白地図」を見つける
●「要素のすり合わせ」で新しいジャンルを作り出す
→分類する、工夫をみる
②体験・経験型の発想
● 体験で得た情報に発展され、「こんなことがあればよいのでは?」、「不満を直したい」などある種のひらめきや思いつきを起こす
→積極的にやってみる、触れながら素材の特性をつかむ
◎プレアイデアからコンセプトにする方法
なんのためにそれを作ろうとしたか?どんないいことがあるか?私以外にもいいだろうか?を考えてみるとよい。
【コンセプトとアイデアの関係】
下記のテーマを与えられた場合を例に、アイデアとコンセプトとの関係を考える。以下は、とある生徒の実例。
[テーマ]
どこかが壊れた家具をデザインしなさい
[アイデア]
穴の開いた椅子。そこから、動物が顔を出す。
この場合、からコンセプトを考える....
[コンセプト]
・なんのためにそれを作ろうとしたか?...ペットと関わりたい・触れ合いたい
・どんないいことがあるか?...ペットと仲良くなれる?
・私以外にもいいだろうか?...みんな楽しいと思ってくれるはず
⇒コンセプト:人とペットの関係性
木の図では、アイデアがコンセプトの内側に描かれている。
このことから、答えは1つでなく、ほかにもコンセプトは他にもいろいろと考えられる。
・なんのためにそれを作ろうとしたか?...ペットのお家がほしい
・どんないいことがあるか?...椅子にもなる
・私以外にもいいだろうか?...皆にとって便利かもしれない
⇒コンセプト:ペットの居場所
とか、も考えられる?
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