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UXデザイナーの集う夜会に行ってきた

夜会ってワードいいですよね。なんとなく妖しさに胸躍ります。
前回の記事でも触れたように、いろんなイベント・セミナーに参加してみようということで、今回はこちらにお邪魔してきました。

CREATIVE X night#2 「UXキャリア夜会」
〜ビジネスに活かすユーザー体験とUXデザイナーのキャリア〜
https://creative-x-night-2.peatix.com/

デザインの価値を向上すべく行われているカンファレンス「CREATIVE X」のnight版。より登壇者と来場者を近くしたそうな。
#2である今回はUXデザイン・UXデザイナーとはそもそもなんぞや、またUXデザイナーとしてどう歩んでゆくべきか、といったお話を、バリバリ現役のUXデザイナーから伺うイベント内容でした。

そうそう、会場が素敵でした。
株式会社Speeeさんのイベントスペース?なんですかね。スピーカーの背面にずらっと本棚が並んでいたり、世界時計がおしゃれな感じで並んでいたりでいい感じの雰囲気です。
もっとシンプルな会場を予想していたので、入った瞬間おおってなりました。素敵だったー。

ご飯も美味しかったです。お肉いっぱい!!(茶色ってどうやったら美味しそうに撮れるんですか…)
アルコールもありましたが、そちらはへべれけの同僚に任せて私は株式会社リブセンスさんご提供のりんごジュースを頂きました。以前も飲んだことあるのですがこれ美味しいんですよねぇ。


セッション① 「僕の前に道はない、僕の後に道はできる〜UX獣道のススメ」

スピーカー:反中望さん
(株式会社リクルートテクノロジーズプロダクトデザイン本部マネージャー)

「まだ、ここにない、出会い。」のリクルートさんですね!

・UXデザインは思想、態度
反中さんですが、ビジュアルデザイン作れない、PCはWindowsでMacは使えない、フロントエンドは読めるけど書けない、などから「UXデザイナー」とは自分で名乗りづらいそうです。
でもUXデザインをやっているとは言い切っていらっしゃいました。ん?

どういうことかというと、UXデザインはスキルではないということです。
UXデザインの根本は思想や態度であって、その上で使うのがスキルなので、Sketch使ったりHTML,CSS書くことがイコールUXデザインとはならない。ふむ。

・UXデザイナーはつなぐ、翻訳する仕事
ぼんやりとした世界観を実現に落とし込むため、実現可能なデザイン・テクノロジーの言葉に翻訳することができるのがUXデザイナーである、と仰っていていました。
最初、ん?と思ったのですがセッション後のパネルディスカッション中にあったお話がわかりやすかったです。
ゼクシィのお仕事をされていた時にあったそうなのですが、編集部の方が開発部へコンセプトを伝える際に、

編集「きゅん」

開発「???」

編集「きゅん感大事に」

開発「きゅん感??????」


謎ワード「きゅん」を使われたそうです。
いや、わかりますよ。あのきゅんでしょう?ときめいちゃうやつでしょう?
わかりますけど、それで実装できる開発者がいたらすごいです。
この抽象的から具体的のバトンタッチをうまいことすること、それぞれの領域に通じる言葉に翻訳するのがUXデザイナーだということです。

考えてみました。
編集部の「きゅん」に込められたものが、
「ユーザーがページを開いた時に思わずときめいて自分の結婚式を妄…想像してしまうコンテンツ」
だとして、であればときめきを生み出す仕掛けとして、
「結婚式までの照れくさいエピソードを載せるページを作る」
「全体の色味を春らしく」(まだ抽象的かな)
といった具体的な実装レベルの言葉にして伝える。こういうことでしょうか。

・自分の手持ちの武器でどう貢献できるかを考えることからUXデザインが始まる
ビジネス成果を出すのがUXデザインなので、自分の成長・手法にフォーカスせず、成果にコミットすべし。
これ少し驚きでした。エンジニアとしては、常に成長すべく、問題の解決に気になっている手法(未修得)がハマるようであれば学びながら使って自分のスキルにもする、が基本姿勢だと思っています。
自分が今できるスキルでどうアプローチできるかを考えることが、UXデザインのスタート地点。今できることで何ができるかをまず考える、成長ばかりに気を取られて、これ忘れてたなぁとはっとさせられました。


セッション② 10年いた会社から転職して感じた、UXデザイナーの価値とこれから」

スピーカー:源賢司さん
(楽天株式会社 プラットフォーム戦略本部 UXデザイナー
成安造形大学 客員准教授)

・他領域の理解を深めつつ自領域の自信と責任をもつ
ビジネス領域の「やる意味があるのか」
マーケティング領域の「選んでもらえるのか」
UX領域の「使い続けたくなるか」
それぞれ思想・価値観がありますが、言ってしまえば全て同じ「良いものを作りたい」という想いです。
みんなで良いものを作り上げるには、他領域への知識を深めることが大事。そして何より自領域については自信と責任を持つことで、信頼を得ることができる。その通りです。
こうして言葉にすると当たり前すぎることなのに、いざ現場に立ってみると対立とはいかなくてもうまく折り合えないこともままあります。自領域の浅い知識による信頼不足、相手の領域への理解不足、どちらなのかふと立ち止まってみるといいかもしれません。

・環境によって変わること 変わらないこと
その場に合わせて具体化、最適化されたスキルは条件さえ合えばすぐに使えるのでその場においては高効率となりますが、限定的な条件下でしか使えません。
一方で、スキルを抽象化して捉えておくと、条件に合わせて作り変える必要はあるものの、広い場面で使うことが出来ます。
具体化されたスキルを身につけながら、広い場面で使えるよう抽象化して行くことが大切、というお話でした。

・UXデザイナーが歩む道
ストレート型キャリアとソフトフォーカス型キャリアの2つがあり、UXデザイナーは後者。

あんまりガチッとロールモデルを立てていない人が今のUXデザイナーには多いそうです。
というのもこの業界の流れは早いので、3年後、5年後に同じステップを踏めるとは限らず、また今はまだない領域が出来ているかもしれません。
ロールモデルは参考程度に、進んでいく時代についていくために柔軟性を持って自分の道をアレンジして進むのが大事です。

そのために自分でポートフォリオを作ってみて、自分は先の時代に生きていけるか定期診断することをオススメされていました。
将来といった抽象的なものは扱いづらいので、ポートフォリオという具体的なものに落とし込むことで考えやすくなるそうです。ここでも抽象→具体の話が出てくるわけですね。
ポートフォリオを作ることで、適度に自己批判(やりすぎいくない)しながら自分に足りないものを見つけて身につけていくことが大切ということでした。
流れの速い業界で生き残るために。

パネルディスカッション

お二人によるパネルディスカッションです。
ちょっとまとめきれなかったので、ほぼメモのままです。読みづらさ満載ですいません。

・デザイナーとUXデザイナーの違い
デザイナーが包括的。デザイナーの中にUXデザイナーがある。
「明日のご飯をデザインしよ」そのくらいゆるくて良いのがデザイナーという言葉。
抽象から具体、具体から抽象のバトンタッチをうまいことできる人がUXデザイナー。
 相手の言葉で話す、相手の興味のあることに落とし込んで話す。
 編集部「きゅん感」エンジニア「?!!」を翻訳、最初の指針を作る。(各領域に落とし込む)

・ターニングポイント
源さん:
「ユーザビリティ」という考えが生まれたこと。(私はこうしたい、から、こうが使いやすい・こう使いたいだろう)

反中さん:
転職。ユーザに使われるものが正しい、と知ったこと。
自分はこれができる、がわからなかった中で、プロジェクトの舵の出し方がわかった瞬間。(たまたまアサインされたプロジェクトの担当者と波長があった。自分の経験でできることが見えた)

・UXデザイナーとして一番面白かった仕事
反中さん:
言葉の違う人たちと1つのものを作り上げること。みんな共通の「良いものを作りたい」という思いをつなげる面白さ。最先端に触れるのも面白いし、成果が出ることも面白い。

源さん:
興味のないアイドルイベント応援アプリを作った時のこと。自分の知らない、遠い文化に触れられるのがUXデザイナーならではの面白さ。新しい文化が好きな人、他人の話を聞くのが好きな人はUXデザイナーとして向いてる。
リサーチした結果既存サービスと似ているものでも、それがビジネスとして成り立つのなら良い。(ニーズがあるのだから既存アプリもある)
ユーザリサーチ 半年1、ふた月に1、2週に1でやってるとこもある。

・今の悩み
反中さん:
組織マネージャという慣れない仕事。人材育成、予算管理、、きちんとやらないといけないことが増えた。→典型的なマネジメントでなく、はみ出したマネジメントを目指そう(きっと会社に求められていることは典型的マネジメントではない)

源さん:
良い環境人も良い仕事も楽しい。悩みない!強いていうならアルファベット3文字の社内ワードが多いこと。
あとスピード感重視で仮説ベースで進むことが多い中、理想の事実ベースをいかに組み入れるか。


まとめ

UI/UXとまとめられることも多い中、例に漏れず私もUIとUXをそこまで区別つけて捉えていませんでした。
いやいやしかし…UX面白い!!!!
ユーザーとビジネスを繋ぐものという感覚はあったのですが、今回のイベントを通して、同じビジネス側の人間同士を繋げるのもまたUXデザイナーなのだと初めて知りました。
「良いものを作りたい」この想いは同じなのに、その想いがあるからこそぶつかるのですよね。
ぶつかりを接続点として、翻訳して、複数の領域を混ざり合わせることでより良いものへと近付ける、UXデザイナーという仕事に大変興味を持ちました。
UXデザインをより具体的に知りたくなったので、また勉強会とかに参加しようと思います。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

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