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最高の睡眠に必要なことは?

突然だが、あなたはちゃんと眠れているだろうか?

「睡眠が大事」というのはわかっているけれど、ついつい就寝時間が遅くなり、夜更かしをしてはいないだろうか?

今回はこちらの本を参考に「最高の睡眠をする方法」について説明していく。


知らない間に「眠りの借金」をしている

まずは、自分たちが知らないうちに「眠りの借金」をしちえるということに気づかなくてはならない。

ところで皆さんは、満足に睡眠ができている自覚はあるだろうか?

実は睡眠に満足している人は意外に少なく、「寝つきが悪い」「睡眠不足だ」「寝ているのに疲れが取れない」という人の割合は70%にも及ぶといわれている。

大体の人が睡眠に満足していないからなのか、みんな「睡眠不足」というものを大した問題ではないと捉えがちだ。しかし、睡眠の不足は簡単に取り戻せるものではない。

睡眠の研究者の間では睡眠不足のことを「睡眠負債」と呼んでいる。

「負債」というくらいなのだから、いつかは返せるのではないかと考えてしまうかもしれないが、そうではない。借金には必ず利子がつく。つまり、借金と同じように睡眠も足りない状態が積み重なって利子が膨らんでいくと、返済ができなくなるということが起こる。するとどうなるか。

お金でいう「自己破産」のようなことが起こる。

睡眠の借金によっておこる自己破産とは、健康への大きなダメージだ。体にも脳にも大きなダメージが行き、思うようにならなくなってしまう。つまり、ちょっとの睡眠不足でも、それが積み重なると深刻な問題になって、最終的には大事な健康を失うことになってしまう。

睡眠負債をそのままにするのではなく、まずは知らない間に睡眠負債がたまっていることを自覚することから始めてほしい。

睡眠は量より質


睡眠負債がたまっている場合、おそらく利子がたくさんついているため、休日にだらだらと長い時間寝貯めするくらいでは負債は返せない。そもそも基本忙しい社会人にとって睡眠時間を確保することは難しい。

そこで注目してほしいのが睡眠の量ではなく質だ。いい睡眠をとることができれば悪い睡眠をだらだらと長くとるよりも高い効果を上げることができる。そして、今回紹介した本では、「眠り初めの90分の質を高める」ということが提唱されている。

人間は普段眠るときレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返している。
眠った直後にまず訪れるのは、深い眠りであるノンレム睡眠。その後レム睡眠に切り替わる、ノンレム睡眠とレム睡眠が交互に訪れ、明け方になるにつれてレム睡眠の時間が長くなる。
そして明け方の浅いレム睡眠の時に目が覚めるというのが、最も健康的な睡眠のリズムだ。


レム睡眠とノンレム睡眠の周期表

このリズムの中で大事なのが、眠った直後に訪れるノンレム睡眠だ。

このノンレム睡眠は70~90分続くと言われており、ここが睡眠全体で最も深く眠っている部分。つまり一番深い眠りであるこの90分が一番大事だ。ここの質を上げることができれば、睡眠全体の質を上げられる。

この本の中では、この時間のことを「黄金の90分」と呼んでいる。この90分の質を上げることで体には2つの大きなメリットがある。


1つ目のメリットは「グロースホルモンの分泌」。


成長ホルモンの影響

グロースホルモンは言い換えると「成長ホルモン」。
成長ホルモンは子供が成長するために必要なホルモンというイメージがあるが、それだけではない。このホルモンは細胞の成長新陳代謝を促進させたり、肌の柔軟性アップアンチエイジングなど様々な効果がある。つまりこのグロースホルモンは大人にとっても非常に大事なものなのである。

※アンチエイジングとは、一言でいうと廊下を抑えることだ。
老化を食い止めていつまでも若々しさを維持するという意味合いが含まれている。

https://www.asahi.com/relife/article/14589853

このホルモンの分泌量はノンレム睡眠の質に依存する。最初の90分を深く眠ることができれば、グロースホルモンの80%近くは確保できる。

2つ目のメリットは「睡眠圧の解放」。

人は長く起きていると「眠りたい」という睡眠欲求が高まってくる。これを睡眠圧と呼ぶ。普段の睡眠の中でこれがうまく解放されなければ、日中もなんとなく眠いというような状況が起きてしまうというわけだ。

この睡眠圧は最初のノンレム睡眠でその多くが解放されることが分かっている。つまり、この黄金の90分の質を高めて、うまく睡眠圧を解放できれば、朝もスッキリと起きられるし、昼間の眠気も消えるだろう。自律神経やホルモンの働きもよくなり、翌日のパフォーマンスも上がるというわけだ。


黄金の90分の質を高める具体的な方法


では具体的にどんな方法があるか説明していく。
まず1つ目は、「入眠90分前に入浴する」だ。


素早くぐっすり眠れるようになるためには、「体温」と「」という2つのスイッチを入れる必要がある。この2つのスイッチを入れれば、体と頭はスリープモードになって眠りにつきやすくなり、さらに睡眠の質もアップする。

ではまず、体温のスイッチの入れ方について解説する。それは深部体温を下げるということだ。

人間には2つの体温が存在する。手足の表面の温度である「皮膚温度」、体の内部の温度である「深部温度」の2つだ。深部温度が下がると人間は寝付きやすくなる。よく映画の遭難しているシーンなんかで「寝るな!寝たら〇ぬぞ!」みたいなシーンを見たことはないだろうか?あれは、極度の寒さの中で肺に冷たい空気が入って深部温度が下がっている状態。深部温度が下がった結果、人間は眠くなる。


深部温度を下げる具体的な方法としては「就寝する90分前に入浴する」ことだ。
入浴して深部温度が上がるとホメオスタシスが働いて、上がった分以上に深部温度を下げようとする。40℃のお風呂に15分くらいつかると大体0.5℃くらい上昇するといわれているのだが、0.5℃上がった深部温度が元に戻るまでの所要時間は約90分。つまり寝る90分前に入浴を済ませておけば、その後さらに深部温度が下がってスムーズに入眠できるというわけだ。


黄金の90分の質を高める2つ目の方法は「室温を自分にとって心地のいい状態に保っておく」だ。

人間は手や足などの末端から汗をかいて熱の放出をすることで深部温度を下げる。この熱の放出ができる状態でないと睡眠の質は下がってしまう。室温が熱すぎると汗をかきすぎてしまって過剰に熱が放出されてしまい、深部温度が必要以上に下がりすぎて風邪をひいてしまうのだ。これはまさに夏風邪をひくメカニズムと一緒だ。

また、室温が低すぎると体の血行が悪くなって熱放出ができなくなってしまう。そうすると深部温度の調節もうまくいかなくなる。

おすすめはエアコンなどのおやすみタイマー設定を使って睡眠の質をしっかり保てるように調節することだ。

脳スイッチを切ることで睡眠の質を高める


次に脳のスイッチについて説明する。大前提として、人間は脳が働いていない状態の時に眠くなる。

何も考えない状態になるというのは難しい。そこで、スムーズに入眠するためにはなるべく「モノトナスな状況を作る」ということが有効である。モノトナスとは簡単に言うと「単調な状態」のことだ。単調な状態に対して人は退屈を感じる。単調な状態だと頭を使わないから、何も考えなくなってスムーズに眠れるようになる。眠りたければわざと退屈になるようなものを選べばいい。(だらだらと見れるような映像を見るとか。)


朝にしっかり日光を浴びる


睡眠と覚醒は表裏一体。いい睡眠はいい覚醒を作り出す。またその逆もしかり。朝起きてからしっかりと覚醒のスイッチを入れることでその後の睡眠の質も上げることができる。

覚醒のスイッチは2つある。「」と「体温」だ

光のスイッチについて説明する。簡単にいうと、朝起きたらカーテンを開けて必ず日光を浴びるようにしようということだ。

地球のリズムは24時間だが、実は人間の体内リズムは24時間ではなくズレがある。光を浴びずに生活すると人間は体内のリズムで生活するようになる。そうすると地球のリズムはどんどんズレてしまう。そうならないために毎朝しっかりと日光を浴びることで体内のリズムを地球のリズムに合わせることができる。

人間にとって光は非常に大事な要素で、体温、自律神経、脳やホルモンの働きなども光を浴びないと調子が悪くなってしまう。さらに、光の刺激は脳の活性化に影響を与えるということもわかっている。つまり、光を浴びれば脳が活性化し、すっきりと覚醒できるということだ。

ちなみに、天気が雨や曇りだったとしても、体内リズムや覚醒に影響を与える程度の光の成分は届いているので心配する必要はない。


朝は体温を上げる


人間の体温は生活リズムに大きな影響を与えている。先ほど、眠るときは体温が下がるといったが、起きたときはしっかりと体温をあげてスイッチを入れることが大切なのだ。人間の体温のリズムは覚醒時には上がり、睡眠時には下がる、このリズムを崩さないようにしよう。

朝に体温を上げる方法として、朝食をとることがおすすめだ。体温を上げるという観点でいえば、朝食に温かいん汁物を飲むなどがいい。味噌汁などかおすすめだ。


しかし、体温をあげるという意味で1つ注意がある。それは「汗だくになるまで運動はしない」ということだ。

体温が上がりすぎるとその分下げようと身体が働いてしまう。汗だくになるほどの運動をしてしまうと体温が上がりすぎてしまい、逆に深部温度を下げることになってしまうのである。





いかがだっただろうか。
以上の方法で睡眠の質を高め、気持ちのいい1日を送ろう。



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