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若い娘に必死になりぎて、足元をすくわれる


ロリータ / 1962

ロリータすごく可愛かったわ〜。
ザ・アメリカンって感じで、ブロンドヘアにクリッとした丸い目が愛らしくて、仕草も表情も可愛い。
あんなのが目の前にいたら、男は誰だってイチコロされるだろう。
白黒映画だけど美しさは伝わる。
ゲイの男はそうでもないかもだけど、ゲイの男性って意外と女性アイドル好きだったりするらしいから、ファンは付きそう。
ちなみにロリータって自分の事可愛いって思ってるのかしら。
男は誰も言い寄ってくるから、自分は相当モテるんだろうなっていう自覚があるのかないのかで、仕草が意図的なのかそれとも自然なのかで、見方が変わってくる。

ロリータに一目惚れした作家先生。
もう本当に独占欲が強すぎる。
ひょんなことからロリータの義理の父親になれて鼻の下伸びまくりなんだけど、父親としては度が過ぎるぐらい束縛感の塊。
立場的には義父なんだけど、本人的にはロリータの恋人の枠に収まりたいので、他の男の影がちらつくのは許せない。
しかもロリータはまだ高校生で、競合相手は若さと体力では敵わない男子高校生。
自分だけを見てほしい彼は、ロリータを家の中に閉じ込めて、変な相手が寄り付かないようにしたい。
身の回りの世話から欲しいものまで買ってあげて、自分にしかできないことでロリータの心を掴んでおきたい。
でも彼女としてはただの義父なんだから、自分は自分のしたいようにやりたいし、いろんな男性と一緒にいたい。
義父とロリータの間では相手への思いに温度差があるのは、惚れてる方としては辛いところ。
自分はこんなにもいろんなことをやってあげてるんだから、他の男のところに行くなんてことは許せない。
つまり見返りとして自分だけを見て欲しいってことなんだろうけど、そんなストレートなこと言えないから相手には伝わらない。
自分の思い通りに動いてほしいのに、ロリータはロリータで動いてて全く言うことを聞かないから、怒鳴ったりして自分が上だということを思い知らせて従順にさせたい。

まあでもこれは本当の父親でもそうかもしれない。
娘に変な男が寄り付かないようにしたい。
自分の言うことを守っていれば変な目には合わないはずだし、自分がコントロールできる範囲内で動いてくれれば安心できる。
できることなら嫁になんてやりたくないし、ずっと自分のそばで可愛い娘でいてほしい、っていう父親は多いんじゃなかろうか。
勝手な偏見ですけど。

あれだけ何でもやってあげてたら、こいつは自分のことに惚れてるんだな、って気づかれてもしょうがない。
それを逆手に取られて、翻弄してどんなに怒らせてもこいつは自分から離れないだろうし、最終的には許してくれる。
それなら使えるまで使っておいて、要らなくなったら捨てればいいや、だって主導権は自分にあるんですもの、って思われても仕方がない。
とはいえ調子に乗りすぎると、相手が DVだった場合自分が苦しくなるので、そこらへんの見極めが重要だけども。
多分ロリータも可愛い顔して裏ではそんなこと考えてたかもしれない。
お金も持ってるし面倒なことはいろいろしてくれるからキープしておこう、みたいな。
でも裏には本当に好きになった相手もいるから、知られないように楽しみながら操っておこう、みたいな。

難しいことだけど、相手を束縛しようとした時点で相手の心は離れてしまうんじゃないか。
ま、そこは心理操作で上手くやれる人がいるかもだけど、大体の人は失敗して長続きしない。
恋愛って難しいけど、しつこくて必死なほど冷められやすいと思うの。

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