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【書評】「空気ブランコ」-仕事に悩みのある人は必読です!

奥田英朗の「空中ブランコ」を読みました!

文春文庫ベストセレクションというのが店頭に並べられていて、「あれ、どこかで聞いたことがある気がする」的なノリで買っちゃったのですが、まあ面白い!!

それもそのはずで、実は2004年の直木賞を獲得しています!
いや~面白かった! 直木賞を取ってるだけあります(何様)


実は本作シリーズものですが、前作を読まなくても全く問題ありませんでした!

1作目: 「イン・ザ・プール」(2002)
2作目: 「空中ブランコ」(2004)
3作目: 「町長選挙 」(2006)

空中ブランコの概要・感想

本作は、伊良部総合病院の地下にある神経科の医師・伊良部一郎にさまざまな悩みを持つ患者が訪れて、それぞれの悩みを解決するという連作短編集です。「空中ブランコ」は全5作品からなっていて、タイトルの空中ブランコはその1つ目の作品に当たります。

各話で相談者が変わるのですが、みんなユニークな設定でこれがまた面白い。

<目次とそれぞれの悩み>
1.  空中ブランコ - 跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り
2. ハリネズミ - 先端恐怖症のヤクザ
3. 養父のヅラ - 破壊衝動に駆られる医師
4. ホットコーナー イップスに悩まされる野球選手
5. 女流作家 -強迫症によってペンが進まない恋愛作家

一見すると自分とはかけ離れた存在に感じますが、どこか共感できるんですよね。やっぱり仕事の悩みって皆さんありますし、年数を重ねていく中で、浮き沈みがあると思います。

「仕事がなんだか上手くいかない」「気持ちがなんだか落ち込む」そういった時にぜひ本作を読んで欲しい! きっと励まされます。

本作の中心となる伊良部一郎ですが、めちゃめちゃ太っていて能天気なんです。この時点で面白い笑

患者は皆追い込まれていますから必死に相談しているのですが、伊良部は人の話をホントに聞いているか怪しいほどマイペース。終いには「僕にもできるかな?」とズカズカ自分の仕事を舐めた態度で介入してきます。

でもこれがどこか憎めない性格で、そのお気楽さを見ていると自分の悩みがちっぽけに感じて、馬鹿馬鹿しくなってしまうんですよね。(ここら辺は夢をかなえるゾウに少し似てます)

ストーリー構成はどれも似ているのですが、各章がそれぞれ独立していて、読後感がものすごく気持ち良いです。

おすすめの作品なのでぜひ読んでみてください!


僕も前作の「イン・ザ・プール」を近々読もうと思います!!

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