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対比や抽象具体にどうやって気づくのか+(因果関係についても少し)

対象読者

よく現代文の参考書でここは対比関係になっているからこうなるよね、ここは抽象具体の関係になるから答えはこれだよねという解説を目にするのではないでしょうか?その時、どうしてここが対比関係、具体抽象ってわかるんだろうと思った事はないでしょうか?今回はそういった方に向けて書いていきたいと思います。

どの先生の読解法とも、衝突しないように意識しましたので、多くの方が参考にしやすい思います。すべて意識しなくても、一つ2つ実践もらうだけでかなり変わると思いますので気軽に読んでください。

先に対比から書いていきます。

対比

1.対比関係を表す接続表現を押さえる
 ex しかし、〜に対して、一方※、他方※など
ここらへんは言わずもがなですが、対比関係を示すのでこれらに注目することで、対比に気づけるようになります。

2.接続表現以外の対比関係を表すものを押さえる
 ex 違う、異なる、別に、逆に、否定、比較
   失う(消す)系 、不思議、変など
これらの語句は接続表現ではありませんが、多くの場合対比関係を表します。是非気づく際の手がかりにしてください。

3.よくある対比を押さえる
 ex.日本と西洋、筆者の主張と一般論
   時代の対比など
この三つを頭に入れておけば、今西洋の話をしてるから、多分日本と対比されるんだろうなと考えられ、文章を読んでいる際対比関係に気づきやすくなります。3つの中で特に一般論との対比は主張をおさえる上で非常に大事です。

4.反義語をセットでおぼえておく
 ex.特殊↔︎普遍、相対↔︎絶対、未知↔︎既知など
これは3と考え方的には近いです。こちらの方も読んでいる時、一方が出てきたらもしかして対比関係になるのかなと考えることで、対比に気づきやすくなります。

5.助詞の「は」に注意する
 ex.〇〇君今日はカッコいいね もしかしていつもはカッコよくないと予想できる
これは単独で目印になるというより、経験上他の物と併用される形が多い気がします。助詞のはには、いろいろな働きがあり読解では話題提示、対比限定の二つの使い方を最低限押さえておかなければなりません。今回紹介しているのはそのうちの対比限定の方です。この対比限定は他とは違うということを表し、違いを説明する対比と非常に相性がいいためよく使われます。是非気づく際の手がかりにしてください。

6.並立や二つ以上の話題がでてきたら対比を疑う
 2つのものが並べられた時、両者の間には基本的に類比か対比の関係があります。したがって二つのものが出てきた時に関係を疑うことで対比気づくことができます。

これら5つを意識するだけでも、かなり対比関係に気づけるようになると思います。

具体例(比喩、引用、体験談)

1.具体例を表す接続表現を押さえる
ex.たとえば
これも同じく接続表現なので当然意識する必要があります。

2.接続表現以外の具体例を表すものを押さえる
ex.特に、など、実際、事実、とか、〜が挙げられる 
これらの表現も絶対ではありませんが、多くの場合具体例を表します。

3.まとめの言葉を押さえる
ex.このように、そのようになど
これらの言葉は前に出てきた内容をまとめる働きがあるので、具体例が前にあったのかなと疑うことができます。

4.具体例になりやすいものを押さえる
ex.固有名詞、数値関係など
固有名詞や数値関係は限りなく具体的で、具体例になりやすいので気づく際のヒントになります。

5.複数の列挙に注意する(特に3つ以上の場合)。
ex.ここに果物があります。たとえばりんご、ぶどう、みかんなどです。
これは単独で目印になるというよりかは経験上他の目印のものと組み合わさって出てくる事が多い気がします。

6.上位語と下位語を考える(包摂関係を考える)
 果物の話をしている時に、みかん、ぶとう、りんごの話に入ったら、抽象度が下がっているので具体例にはいったのかな?と疑うことができます。

7.テーマそのものではない名詞について話している所に着目する
例えば、文章で努力は大事だという話をしていたとします。その時いきなり水滴が岩を穿つようにやりなさいと出てきたら、あれ今この文章は水滴や岩について話していたっけ?となりますよね。そうなれば、具体例(比喩、体験談、引用)に気付く第一歩になります。
この7が一番大事です。

具体例に気づくのと同じくらい、どこまでが具体例なのかを見抜く事も大事だと思います。したがって少しそちらについても触れておきます。目安としては先程あげたまとめの指示語、普通の指示語、具体例として使われている語の消失、テーマへの復帰、逆接、まとめの接続表現を目印にしてもらうといいと思います。

おそらく出来るかたは前者の対比の方は1、2、6だけ、後者の方は1、2、7だけを意識しているよう方が多い気がします。
同義語や反義語は語彙系の参考書で少しずつ押さえてもらうといいと思います。柳生先生のビブリアと旺文社系の語彙の参考書、現代文をひとつひとつわかりやすくはこの点が充実しています。

おまけとして因果関係についても少し

1.因果関係を表す接続表現を押さえる
ex.したがって、だから、なぜなら、というのも

2.接続表現以外で因果関係を表すもの(名詞、動詞)を押さえる
名詞:背景、影響など
動詞:もたらす、引き起こす、起因する、由来するなど


これらについて言及されている参考書をあげておきます。
対比関係について

こちらの4冊はどちらも扱われています。


余談

ここまで、どうやって気づくのかを話してきましたが、どうやってそれらを使うのかという使い方も学ばなければいけません。いくら関係性に気づけても使えなければ無用の長物にしかならないからです。どう利用するかは池上先生の短文からはじめる現代文でくわしく書かれていますので、そちらで学んでください。

よく対比関係や抽象具体の関係に気づけないという方をよく聞くので、今回書かせてもらいました。少しでもお役にたてれば幸いです。


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