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雑閑

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#散文詩

浮泛不時着フリュイディティ

わたしはわたしをどこへ飛ばしてしまったの?
ロケットには想いを積めるだけ詰めて

遠ざかるふるい明かりたち
いまだ虚空を見つめている
つぎの光へはまだまだ遠い
このジェットが止まっても
あの場所へ戻れるわけではない
てばなしに放り投げられて
空気が薄れてなにもわからなくなって
なにかがたくさんあって、でもなにもなくて
ただただその場所に彷徨うだけ

もう時間が過ぎて、意味のなくなった感情
傷に合わ

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グレイコードの雲行きは?

暑い日は外へ出たくないし
寒い日は外へ出たくないよ
雨が降るなら出掛けるのは億劫だね

熱い関わり合いは疲れるし
冷たくされるのも淋しいよ
湿った関係だと居心地がわるいなあ

曇った表情
集った情報
しかめっ面をほどいて
充電コード巻きつけて
なにをしてる
なにをしよう
なにができたっけ、わたし?

やさしい真ん中はどこにあるだろうか
自分が自分に縛られない場所
ぐるぐる渦巻いてるのは誰なのか

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「またね」がないから今夜は幽霊

これは極論である
これは比喩である

わたしは今夜幽霊だから

ティーカップの中にはいない、元からいない
スプーンの中にもグラスの中にもアールグレイの中にもいない
でも探してしまう
なぜなら不特定多数の集まるテーブルにいて、ほかに出来ることがないから

不特定多数とはわたしで、あると思う、
わたしとは不特定多数だ

口を開けば嘘を吐いた
口を閉じてそのまま嘘を噛んだ
自分以外の誰かからすれば真実で

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