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「シチズン」第一想起の学生を増やすために。採用マーケティングで、母集団の質と内定承諾率が高まる ーcase.5 シチズン時計様

こんにちは、No Companyの広報担当です。今回は、No Companyのクライアントインタビューをお届けします。第五弾は、各種時計類及びその部分品の製造、販売を行うシチズン時計様です。

創業から100年を超えて、幅広い世代に支持される時計をつくり続けてきたシチズン時計株式会社。革新的なテクノロジーと長年培ってきた熟練の技能と共に、腕時計の本質と可能性を追求し続けており、最近ではIoTプラットフォーム「Riiiver」の開発やオープンイノベーション推進室の設置など、“Better Starts Now”の信念で新たな挑戦を積極的に進めています。採用活動では、母集団の形成と入社後のリアリティ・ギャップに悩まされていました。学生の第一想起を獲得し、シチズンの社風や働き方に共感してもらうにはどうすればいいのか。THINK for HR(※)を活用した採用マーケティングの取り組みについて、人事部の小林由佳様と深沢領様にお話を伺いました。

(※)「THINK for HR」とは、SNS(Facebook、Twitter)上のエンゲージメント(「いいね」や「リツイート」「シェア」「コメント」などのアクション)データを定性、定量の両面で収集、分析することができるソーシャルリスニングツールです。企業が使用することで、自社が知りたいトピックに関して、SNS上でどんな投稿や記事がどれほど話題になっているのかをタイムリーに把握できます。また、ツールに加えNo Companyの専門アナリストによって、SNS上から拾い上げた生活者インサイトを生かした採用広報施策の設計、実行までを一貫して支援します。

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就活サイトから脱却し、採用ターゲット層の「シチズン」第一想起を増やしたい

——THINK for HR導入前の課題について教えてください。

小林:課題として感じていたのは、入社後の働き方についてのギャップです。若手社員からリアルな声を聞くことも多く、入社後の働き方についてギャップを感じるメンバーがいることを知りました。採用のミスマッチを改善するべく、学生にとって本当に必要な情報をどのように発信すればいいのか、考えるようになったのです。

以前の採用活動では、海外展示会などシチズンのブランド力を前面に出して採用に取り組んでいました。それだけではなく、実際に働いている従業員の声を紹介するといった、実際の社風に合ったメッセージを発信していく必要を感じていました。しかし、どんな情報を発信すれば入社後のギャップを感じないのか、どこに当社の本当の魅力があるのか、全くわからない状態だったのです。

——採用活動で難しさを感じていたのは、どのようなことでしょうか。

小林:母集団をどのように形成すればいいのか、採用活動の進め方に難しさを感じることが多かったです。THINK for HRを活用する前は、主に就活サイトを利用して採用に取り組んでいたのですが、応募者を十分に獲得できていませんでした。というのも私たちの業界は近年存在感が低下しており、就活サイトにおける「精密機器」や「電子機器」のラベリングでは従来と同じようには学生たちに注目してもらうことができなかったのです。他社と同じ媒体で情報を発信するのではなく、当社に合った方法で情報の伝達性を高めていきたいと考えていました。

深沢:一方で、学生たちが業界ごとの区分で会社を見なくなっていることも感じていました。例えば、一昔前であれば同業他社や近い業界の会社が採用競合になることが多かったのですが、近年では食品業界など完全に別業界の企業とのバッティングが出てきています。業界ごとにエントリーするのではなく、ピンポイントで会社名を検索して応募するケースが増えているのです。

個別で入りたい企業を検索する場合、当然ながら第一想起で会社名を入れてもらう必要があります。当社のどんなところに魅力を感じ、学生の興味関心を高められるのか。第一想起に入れるよう、オンラインのコンテンツを増やしていく必要性を感じました。

——採用マーケティングに取り組むにあたって、社内調整をどのように進めていきましたか?

小林:採用を担う私たちの部署に一定の裁量権があるので、採用戦略や改善策を主体的に策定し、スムーズに進めることができました。全社で採用の意識を高めるために、リクルーター制度を導入したこともあります。入社1~2年目の社員をリクルーターに選出し、各メンバーに採用活動への協力を依頼しました。日頃から部門は採用活動に協力的なので、とても恵まれた環境だと思います。それでも、入社後のギャップを埋めるまでには至りませんでした。当時は有効な採用戦略を整理できていなかったように感じています。

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採用マーケティングで、自社の意外な「強み」を発見

——THINK for HRのサービスをどのように活用してきましたか?

深沢:採用マーケティングを始めるにあたって、全体の戦略設計からnoteやSNSにおけるコンテンツ企画まで、色々な場面で活用してきました。各種のデータ分析も、ターゲットのインサイトや昨今のトレンドを把握する上でとても助かっています。

その他にも2021年の採用活動では、イベントや合同説明会への参加、オンライン説明会、SNS広告配信、採用ページの改修など、様々な施策に取り組んでいます。PCやスマートフォンでアクセスできるシチズンのバーチャル空間「CITIZEN Timeless City」で会社説明会動画を公開するなど、新たな取り組みにも挑戦しました。

小林:学生の第一想起を増やすための施策として、SNSやnoteは非常に有効なツールだと感じています。それまで、情報が学生に響いているかどうかを知る手段は、内定者のアンケートしかありませんでした。内定者の数は母集団の一部分でしかないため、正確性に欠ける部分があったのです。THINK for HRを活用するようになってから、当社が発信する情報・コンテンツに対する学生の反応を、リアルタイムに把握できるようになりました。

また、各種のリサーチでは、今まで思いもしなかった当社の意外な強みが浮かび上がってきました。例えば、シチズンの企業規模に関して、学生たちにとっては、私たちが思っている以上に大企業というイメージが強いようです。その企業イメージを活かし、福利厚生の充実など安定性をアピールできることを知りました。社内からは見えないことがたくさんあることに驚きましたね。

——最近の採用活動では、インターンの内容も変わっているそうですね。

深沢:そうですね、今までは職場受け入れ型で2週間ほどのインターンを行っていたのですが、新型コロナウイルスの影響もあり、学生と当社のお互いにとってメリットがあり、オンラインでも進めやすい設計を色々と考えていました。そのなかで新たに打ち出したコンテンツがアイデアソン(※)です。

自分の意見が企業活動に反映されることで、学生のモチベーションが高まる。学生の新たな意見を取り入れることで、当社の事業活動が活性化する。お互いプラスになる仕組みなので、実行に移すことができて本当に良かったと思います。

(※)アイデアソンとは、「アイデア」と「マラソン」が掛け合わせた造語で、決められた時間内に各グループで特定のテーマに関するアイデアを出し合い、その結果を競うイベント。

小林:アイデアソンは今までやったことのない新たな取り組みなので、立ち上げにある程度のエネルギーが必要でした。私たちの部署だけでは難しいと思ったので、社内で先進的な開発を進めている2つの部署と連携しています。最初は協力を依頼することに少し勇気が必要でしたが、積極的にサポートしてくれたのでスピード感を持って進められました。

インターンの告知は、今まで就活サイトと大学における説明会で行っていましたが、近年はさらに多くの学生を集めるため、SNS広告や外部媒体も利用しながら広報活動に取り組んでいます。

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母集団の質が飛躍的に高まり、内定承諾率が上昇する

——THINK for HRの活用で、どのような変化がありましたか?

深沢:最終的な内定の承諾率が高まり、採用人数の目標を無事に達成できました。電話などで内定を伝えると、その場で受諾してもらえるケースが増えています。その背景として、母集団の質が飛躍的に高まっていることが大きいと思います。母集団の人数は減ったものの、多くの応募者に私たちが求めている資質が備わっているので、採用活動の効率化に繋がっています。

今回の前進的な成果には、採用フローを見直したことも影響しています。今までは、インターンに参加した学生がその後の先輩社員との座談会に参加できるよう設計していました。その部分の間口を広げ、より多くの応募者に参加いただけるように設計を変更し、会社説明会では伝えきることが難しいリアルな情報を伝える機会を増やしました。先輩社員との接点を持ってから選考に進む学生を増やしたことが、プラスに働いているのではないでしょうか。

小林:イベントの告知にSNSやnoteを活用したことで、学生と当社の出会いを印象に残るかたちにできたことも、成果に繋がった要因の1つと感じています。実際に学生からは「あの老舗のシチズンがTwitterをやっているんだ!」と驚きの声もあり、企業イメージとのギャップがプラスに働いているようです。

また、学生との接点を絶やさずオンラインとリアルなイベントを交えて開催していったことも、非常に良かったと思います。夏にはインターン、9月にプレセミナー、11月にグループ会社合同のオンラインセミナー、新型コロナウイルスの状況を注視しつつ事業所見学という風に、情報を定期的に発信していきました。

THINK for HRを活用することで、役員への報告も非常にスムーズになりました。詳細なデータを求められたとき、採用マーケティングにおける各種のデータをすぐに見せることができます。社内の安心感やスムーズな連携にも繋がり、非常に助かっています。

——今後の採用活動について教えてください。

深沢:WEB施策では、リターゲティングとnoteの積極的な活用に取り組んでいきたいと考えています。「キャリアビジョンがわかりにくい」という声を聞くこともあるので、より分かりやすく解説したnoteの記事を採用サイトに埋め込み、インナーブランディングも並行して進めていくことが理想です。

小林:発信する情報については、外から見たシチズンと社員が考える自社像を合わせていきたいと考えています。堅実なイメージに加えて、入社後に色々なことへ挑戦できる環境があることを伝えていきたいです。

新たな取り組みとしては、採用の各ファネル(※)において発信する内容を変えていくことにも挑戦したいですね。例えば、エントリー段階では比較的ターゲットの広い情報を、選考が進んでいくにつれてもっと深い情報を出していく。THINK for HRの活用で学生のニーズを把握できるようになったので、色々な施策を積極的に進めていきたいと考えています。

(※)ファネルとは、英語で「漏斗(ろうと)」を意味しており、消費者が購買に至るまでの人数を図式化したもの。採用活動においては、認知から人数が絞られていく段階を示している。

シチズン時計様で実施した施策について

シチズン時計_サイト内記事

お知らせ

THINK for HR について 

No CompanyではSNSデータを起点に、企業が求職者に共感されやすい切り口の発見と、そこからの採用コミュニケーション戦略策定〜コンテンツ制作〜広報を、企業の新卒/中途採用・組織/人材開発担当者向けに支援させていただいております。

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