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メルセデスベンツCLAには、XXXがなかった!

前回noteで、『顧客が、「この製品カテゴリの製品なら、この機能は当然あるよね」と考えている、提供されなくてはならない必須の機能があるかを確認する必要がある』と書きました。

本noteでは、「顧客が当然ある」と思っている機能がなかった場合、どうなるかを、『マーケティングフレームワーク活用講座 番外編』として、エンドユーザーであるボクが経験したことを書きたいと思います。

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本noteは、ポートフォリオワーカー*になった、外資系IT企業マーケティングマネジャーによる、『初めてマーケティングを学ぶキミに伝える マーケティングフレームワーク活用講座』の連載企画です。

*「ポートフォリオワーカーって何?」は、こちらを参照下さい。自己紹介とともに説明しています。

前回はこちら、最初から読まれる場合はこちらからどうぞ。
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メルセデスベンツCLAを購入!

数年前のこと、メルセデスベンツCLAという車を購入しました。正確には手付金とともに購入契約書にサインしました。

まだCLAが発表されたばかりの時、とても人気があったようです。「ようです」と推量表現をしているのは、ヤナセに行くまで、CLAという車の存在をしらなかったので、そう書いてます。

中古で購入したBMW 528を10年乗っていたのですが、故障で修理に出したところ、直すと60万かかると言われてしましました。そのため、仕方なく次の車を探していました。

次もBMWという方針だけ持ち、中古車店を中心に次の車を探していました。

大通りを走っているとヤナセの看板が見えます。ヤナセでもBMW売っていると思い、入店。そのまま、新車のCLAを購入してしまいました。

車にあまり詳しくないボクでも、BMWやメルセデスベンツぐらいは知っています。しかし、車種はほとんど知らないため、CLAという車があることは初めてここで知りました。

そして、その日のうちに購入。
そのぐらいCLAという車が気に入りました。

こう書くと、衝動買いにも程があると思われるでしょうが、BMWは購入しようと思って、予算化はしていました。結局、新車になり、予算150万円オーバーにはなりましたが、許容範囲かなと思っていました。

ちなみに、初代CLAはこんな外観です。カッコイ!と一目惚れでした。

納車待ちで、ある注釈に気づく

納車を待っている間、いろいろとスペック一覧を見ながら、ワクワクしていました。納品されるまでカタログを見ながらの妄想、どなたにも経験があると思います。手に入るまでの高揚感を、ニヤニヤしながら(おそらく)、楽しんでいました。

ところが、ある注記に目が止まりました。
「パワーシート:運転席のみ」

ん? 平日は妻、休日はボクが運転するので、パワーシートは必須、それも座席位置固定するメモリ機能が無いとダメ。と、ヤナセのセールスマンY君には伝え、装備されているか確認していました。それなのに、助手席パワーシートがない、と読み取れる。

少々不安になりました。せっかく気に入って購入することにしたのに、ボクたちにとって必須の機能がない。。。

助手席パワーシートがないだけで、あとは気に入っているのだから、それには目をつぶろうとも、思いました。

しかし、腰痛持ちの妻、ボクにとって、自分のベストなポジションで座ることはとても重要なことなのです。「楽しいドライブの後に、体にあっていないシートポジションのせいで、腰が痛くなる」なんて自体は避けたいと思い、事前確認をしたのです。

葛藤

この助手席パワーシート以外は大変気に入っています。。。

CLAはメルセデスでは安いカテゴリに入る車です。しかし、それでも数百万円はします。数百万円の買い物で、気に入らない点に目をつぶるのは、合理的な判断か? と葛藤の中で自問自答していました。

と、いうのも、前の車の故障問題と人気車の納車問題とがあったのです。

BMW 528(前の車)はエンジンのオイル漏があり、いつ止まってもおかしくないと言われています。また、CLAのモデルを変更をすると、納車は数ヶ月待ち。

悩むこと数時間。相反する問題に最適解が見いだせないまま、ヤナセのセールスマン、Y君に電話。CLAを気に入り購入しようと思ったのに、助手席パワーシートが装備されておらず、残念であること、その確認は事前に行ったこと、このままではCLAを購入する短期的目的を果たせないこと、を素直に伝えました。

真面目なY君、自分が誤った説明をしてしまったことを詫びるとともに、所内で検討する旨約束してくれました。

Y君からのカウンタープロポーザル

後日、Y君から回答がありました。
「+10万円追加でCLAからCクラスに変更してくれないか、Cクラスであれば、キャンセル品があり、すぐに納車ができる」とのことでした。

Cクラスは試乗した際に、ステアリングが柔らかく、ボクの中では評価は高くありませんでした。前の車、BMW528のように、運転して「駆け抜ける喜び」を感じたいと思っていました。

CLAには、それを感じれましたが、Cクラスはダメでした。正確にはダメだと思っていました。

ところが、Y君は、そんなボクのコメントをちゃんと覚えおり、それを考慮した提案でした。

ボクが試乗したCクラスは、ノーマルのCクラスで、提案しているCクラスは、AMGラインとのこと。車にそこまで詳しいボクには?です。

Y君の説明では、ノーマル車とAMGラインではタイヤ幅が異なるとのこと。AMGラインの方が幅広で、道路を”より掴む”ため、BMWのように”運転している感が強い”とのことです。

「試乗車が他のヤナセ店舗にあるので、試乗しに行ってほしい、そこで気に入ってもらえなければ、CLAはキャンセルで仕方ないと思います。でも、の~ちさん、必ず気に入ってもらえると信じてます!」

と、自信満々です。

早速、Y君の提案のとおり、試乗をしに行きました。
Y君の言う通り、AMGラインは”運転している感”をちゃんと感じます。

結局、CクラスAMGラインを購入することにしました。
納車も早く、満足のいく、取引でした。

ちなみに、CクラスAMGラインはこちら。もう7年乗ってます。あと5年ぐらい乗れるかな! あっ、奥さん写っちゃってます(汗

当然あると思う機能がないと

「助手席にパワーシートがない」ために、手付金まで払って買う気満々で、気に入っていたCLAの購入を諦めた話でした。

想定ユーザーが欲するであろう機能がないために失注する可能性もあったはずです。Y君の機転により、違うモデルのキャンセル品の車を提案できたからよかったものの、キャンセル品がなかった場合、ボクは他社(たとえばBMW)を購入することになっていた可能性も十分あります。

それぐらい、ひとつのある機能が重要なこともあります。

この機能一覧を他社比較の上で、予め把握することは、とてもとても重要なことです。そして、仮に”機能がない”場合、どう対処するかも検討指定おくことが重要です。

ちなみに、今のCLAでは助手席パワーシートは標準で付いているかもしれません。あくまでも初代CLAの話となります。



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