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寒空に消えていった言葉.

日曜日

特に予定がなかったので、netflixを少し見て夕方から散歩に出かけた
この日は風が強めに吹いていて、気温も低かったので手袋を着用
すでにカサついている手を、乾いた風から守ってあげた

家から8分ほど歩いたところにあるスーパーへと向かう
家にメロンソーダがあるので、バニラアイスを買って「メロンソーダフロートを作りたい」と思った。こんな休日もありでしょなんて思う

スーパーでの買い物を終えて、帰路につく
家に着く寸前、友人(男)からLINEの着信がなった

「今、何してる?暇なら会おう」そんなことを友人が言ってきた

彼氏、彼女から言われたらブチ上がるフレーズランキング上位に
入る素敵な言葉を頂きました・・・(ありがとうございます)

僕は二つ返事で承諾

家に一旦帰り、買ったアイスを冷凍庫に納め出かける準備をした



その友人とは19時30頃に合流

市内のオシャレなダイニングで軽く夕食を済ませた

解散するにはまだ早かったので、友人の提案により市内にある河川敷に行く
ことに・・



行き場のない言葉たち

夜の河川敷は漆黒のような暗さと、誰もいない静けさが相まって
非常に居心地がよい 入場無料のテーマパークみたいな場所だ

僕は友人とたまにフリースタイルバトルをそこの河川敷でやっている

2月の凍てつく寒さの中、無観客によるフリースタイルバトルを二人で開催
スピーカーから流れるビートにノリながら、必死に言葉を紡いでいく
(情景が普通に面白すぎる)


何戦か交え、そろそろ帰りたいと思っていたころ

もうそろそろラストかなと思っていたときに
友人が突然「元カレのインスタを見た話」をビートに乗せてきた

普段元カノの話なんて滅多にしない友人が、重低音のビートに乗せて
ひたすら言葉を紡いでいくのはなんか面白かった

フリースタイルを何回か続け、22時近くになったので河川敷を後にした


「元カノのことで何かあったん?フリースタイルのとき言ってたけど」

帰り道、誰もいない真っ暗な路地裏で友人に聞いた


「いやさインスタを久しぶりに見ちゃったんだよね」
「そしたら、彼氏ぽい人が写ってた」

友人は言った


「うわ、マジかキツイな」と内心思ったけどあえて言葉には
出さなかった。なぜなら彼の言葉を遮ってはいきないと思ったから

「なるほどね」と簡単なつぶやきで会話を促す

友人の現状として、彼は元カノではない別に好きな人がいる。ただ元カノのことも忘れられないらしく、どうしても気になってしまうようだった・・


時間というものは残酷で待ってはくれない。今このときもチクタクと時を刻んでいっている。友人の元カノさんに、彼氏(←New)ができるのはごく自然な流れであるが、いよいよこの時が来てしまったかという感情になった。
(病院で採血の順番待ちをしていて自分の番号が呼ばれた時の感覚に近しい)
事実としてこのようにつらつら書くのは容易いが、それを受け入られるほど人間の精神というのは丈夫ではないし、思い出はいつだって綺麗すぎる。
友人はここ最近体調を崩していたらしく、もしかしたらそれも(元カノ)少し関係あるのかな?という意味のない推測が頭をよぎった・・

現時点で好きな人がいても、元カノが気になってしまうという葛藤。
彼にとって元カノの存在は大きく、それくらい大切な人だったんだなと思う。何ともやるせない気持ちを抱えているのは近くで見ていてすごく分かった。行き場のない言葉をビートに乗せて、寒空へとアウトプットされたことは想像するに難くない。。

女性も元恋人のことを思ったりするんだろうけどね、男性の方が
元恋人に未練を残すっていうのを聞いたことがあるけど・・


22時過ぎ、友人と解散した

帰り際、友人は「まあ、自分磨き頑張るわ」と明るい声で言っていた。
なんだか少し笑ってしまった。前向きでいいなあと・・

解決策を与えられるわけではないけど、彼の不安や苦しみを受け入れて
あげる人間でいたいなと思った。僕もかつてそうされたように・・






そういえばこの日、夕方に散歩をしながら聞いていたのが
嵐の「サクラ咲ケ」で、すごく懐かしい気持ちになった。




振り向くな後ろに明日はないから前を向け.










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