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『サンデー毎日』 表紙デザイン考察 〈前編〉

今回は夏休みの自由研究ばりに雑誌「サンデー毎日」の表紙を時代ごとにそのデザインを追って検証してみる試みです。
雑誌そのものは主にヤフオクで買い揃えました。

本筋に入る前にまずはWikipediaから「サンデー毎日」の概要を。

サンデー毎日(サンデーまいにち)は、毎日新聞出版発行の週刊誌。1922年(大正11年)に週刊朝日と並んで最も早く創刊され、日本の週刊誌の老舗となっている。発行部数11万部はSPA!に次いで業界第11位※。

※ 発行部数については、年月によって変わるので最新のものはこちら
https://www.j-magazine.or.jp/magdata.html
部数算定期間を年代別にみるとやはり年々減少傾向なのがわかりますね。

ということで、本題に入ります。

1929年

昭和4年(1929年)6月9日発行(入手した一番古いもの)

一色刷で、タイトルは「日毎ーデンサ」が右から左、「THE SUNDAY MAINICHI」は左から右ですね。写真のイーゼルを立てて写生をしている女性も和装で雰囲気あります。後ろの女性の顔に枝がモロ被りなのがとても気になります。
サイズはB4をさらに一回り大きくしたサイズ。

1943年

昭和18年11月14日発行

太平洋戦争中に発行されています。この時期はタイトルも英語表現は避けて「週刊毎日」に変更。
カラーで刷られたイラストは江崎孝坪(日本画家)で『雛鷲』。
文字は少ないですが色が赤、青、黄、緑とパーツごとに変えられているところが粋ですね。
サイズはB5サイズになりました(以下ほぼ同じ)。

1954年

昭和29年2月7日発行

タイトルが「サンデー毎日」に戻り、左から右のならびになりました。全体的にデザインがモダンな感じになってきました。平和っていいですね。
シロクマの絵は山口蓬春の『望郷』。2月の時期にこの表紙、冷え冷えした思いで雑誌を手に取ったんでしょうね。

1961年

昭和36年8月27日発行

グラビア写真になったのですが・・・なんだか今のAERA(アエラ)っぽいというか、ファッション誌っぽいというか・・・記事の見出しとか一切ありませんし。タイトル以外大衆誌っぽくないですよね。
撮影:佐藤明 モデル:須田あけみ

1964年

昭和39年10月25日発行

1964年10月10日〜24日まで行われた東京オリンピックの特集号。
タイトル周りのデザインが一新されてロゴも親しみやすいものに。
写真の選手団の赤いジャケットとタイトル帯でとても赤いですね。
「10月25日号」も定位置に収まり、全体的に「サンデー毎日」という誌面のデザインフォーマット化が進み、独自性、ブランド化されてきています。
(前回の突然のモード時代から大きく方向転換していますね)
撮影:米津孝

〈前編〉はここまで。中編、後編と3回に分けて紹介する予定です。
今回はデザインというよりも、劇的に変化する時代背景を色濃く反映した表紙の変遷がみられたと思います。

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