『大きな茶色とこげ茶色の縞々の猫』
一匹の大きな猫が昼寝をしている
茶色とこげ茶色の縞々模様のふとっちょ猫
時々大きな口を開けてあくびをする
手足をぐぅーんと伸ばしながら
しっぽをくねくねさせながら
猫は毎日同じ場所で昼寝をしている
いつもいつも昼寝をしている
まるでそこで昼寝をすることが仕事みたいに
みんな大きな茶色とこげ茶色の縞々の猫が
なぜそこにいつもいるのか知らない
知っているのは僕だけなんだ
ある日、僕は見てしまったんだ
大きな茶色とこげ茶色の縞々の猫が
大きなあくびをしたときその奥に階段があることを
ずっと奥まで続いているんだ
行った事はないけどね
きっと違う世界まで続いていると思うんだ
ずっとずっと降りていって
それでもまだたどり着かなくて
もっともっと降りていって
それでもまだまだたどり着かなくて
ずんずんずんずん降りていって
もう底なんてないんじゃないかって思ったときに
ようやくたどり着くんだ
そこには大きくて重い扉があって
その先には見たこともない世界が広がっている
誰もまだ開けたことがないから誰にも分からないけどね
今度、大きな茶色とこげ茶色の縞々の猫が
大きなあくびをしたとき覗いてみようと思うんだ
せぇので飛び込んだら行けるんじゃないかな
バスケットにサンドイッチをたくさん持っていこう
きっとお腹がすくからね
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