『水と細胞』
さらさらと流れる水のところどころに
ゆるやかに時が溜まる場所があり
僕の中の忙しくない細胞は
その場所にとどまりたくて仕方がない
しかし忙しい細胞は前しか見ていないから
そんな場所があることさえ気付かずに
流れていこうとするんだね
僕はその細胞たちをなだめながら
なんとか調和を保とうとしているのだけれども
こんこんと湧き出る水は
少しでも多くの時間を海へ導こうとやっきになって
そこにとどまることを許そうとしないのだ
そうでなくとも僕の細胞は次々と生まれ変わり
指の間をすりぬけて未来へ向かおうとしている
・・・
分解してしまうよ
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?