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『運命』

アナタはすでにボクの一部で

だからこそこんなにも惹かれてしまうのだと

アナタはすでにボクの一部で

だからこそこんなにも分かってしまうのだと

運命というものがこの世にあるのならば

それはきっと駅前のロータリーで

道行く人々に無造作に配られ続けている

ポケットティッシュのようなもので

誰もが受け取らない理由が見当たらないまま

目を合わすことなく手の中に収まってしまい

捨てる理由もなく持て余すようなものなのだろう

受け取らないタイミングを逃して手に入れた

アナタと出会うために必要な運命は

アナタがボクの一部だと言う錯覚を

与えるけれど事実は異なり

実はボクがアナタの一部であると

数分後に気づくボクの未来さえも

刻み込まれた運命もまた

寒空の駅前のロータリーで配られている

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