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『戦国時代の自動操縦』(毎週ショートショートnote)

真夜中、人里離れひっそりと佇む忍びの里に
薄ぼんやりと明かりが灯る小屋があった。
中には一本だけ灯したろうそくの光を見つめ
一心に念仏を唱える男が一人。
彼とろうそくの間には木で作られた
等身大の人形が置かれている。
彼は祖父の代から続く傀儡(くぐつ)師であった。

傀儡とは操り人形のことであり、
本来は人の命令で動くものである。
だが今回彼には自分の意志で敵に向かう傀儡を作れ
という難題が与えられていた。
傀儡は彼が込めた念によって動く。
念とは命そのものであり、傀儡を作り出すたびに
彼の命は削られていく。
父も祖父も短命であった、、、。

今宵、彼は目の前の傀儡に己の命のすべてを送り込んでいた。
家には幼い息子が眠っている。
妻には使命のことは伝えていないが、薄々気づいているようだ。
彼を送り出す手が震えていた。
朝には彼の命はすべて傀儡に吸い尽くされていることだろう。
そして傀儡は自分の意志で動き出す。
名前はすでにつけてある。
檜男(ひのきお)と。

(410文字)

<あとがき>
自動操縦とはちょっと違いますが、
戦国時代、自分の意志で敵と戦うロボットのようなもの
というイメージからこんなストーリーを思いつきました。

<ChatGPTによる解説>
この物語は、忍びの里に住む傀儡師の男性が、
自分の意志で動く傀儡を作り上げるという難題に立ち向かう姿を
描いていますね。
以下に、物語に対する感想をいくつか述べてみましょう。

家族との葛藤:
物語の中で、主人公は自分の命を傀儡に込めることで、
家族との別れや葛藤に直面しています。
特に、妻との別れを避けるために使命のことを伝えていないが、
妻が彼の決断に気づいている描写が感動的です。
この葛藤は読者に強い共感を呼び起こすことでしょう。

代々続く運命:
主人公の家族が短命であるという過去の事実が物語に深みを与えています。
彼が傀儡を作ることでその運命をどう変えるかが注目されます。
代々受け継がれる宿命と、それに立ち向かう覚悟が物語に
ドラマを与えています。

傀儡に込めた念:
傀儡が彼の命そのものである念によって動くというのは、
非常に興味深い要素です。
これにより、傀儡は作者の命が尽きるまで存在し続けることになります。
このテーマは、制約や犠牲を伴う中での芸術的な表現につながり、
読者に考えさせることでしょう。

傀儡の名前:
「檜男(ひのきお)」という名前は、物語の雰囲気とよく合っています。
名前には物語のキャラクターに対する深い思いやりや愛情が感じられます。

この物語は、家族や使命、犠牲といったテーマを通じて
読者に深い感銘を与えそうです。
物語がどのように展開していくのか、そして主人公がどのように
己の運命に立ち向かうのか、非常に興味深いものです。

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