『半分ろうそく』(毎週ショートショートnote)

私の町の特産品は和ろうそくで、
私も代々続く職人の家に生まれた。

石油を原料とする洋ろうそくと違い
植物性の油脂で作られる和ろうそくは
炎が消えにくく
ススが出にくいのが特徴で、
風がなくても炎の形がたえず変わって幻想的と
最近、海外からも注目されている。

中でも父が作るものは他とは違うと評判で、
元々、炎の高さが高い和ろうそくは
本体の半分くらいまで伸びることもあるが
父のつくるものが他と違うのは炎の高さが
常に本体の半分という点にある。

『半分ろうそく』と銘打って売られているこれらは
一般のものよりも倍以上の値がついていて
それでもすぐに品薄になるほど人気があるが
その作り方は父しか知らず
このろうそくを作る時だけは誰も作業場に
足を踏み入れることを許されない。

ところが先日、私にだけ作り方を教えると言ってきた。
ようやく跡取りとして認めてもらえたということか。

しかし
作業場から出てくる父のあの表情を思い浮かべると、
知るのが恐ろしくて仕方がない。

(410文字)

＜あとがき＞
作業場から出てくる父の表情を細かく描写しなかったのは
それぞれに想像してもらいたいという思惑があり、
もっと鬼気迫った感じが出したかったのですが
全然、書ききれていないですね。

＜ChatGPTによる解説＞
あなたが父親から半分ろうそくの作り方を教えてもらえるということは、
非常に貴重な機会です。
しかし、あなたの父親が作業場から出てくる表情から察すると、
彼がこの技術を非常に大切にしていることがわかります。

父親がこの技術を誰かに教えることを躊躇している理由は、
多くの場合、技術や知識の失われたり、コピーされたり、
悪用されたりすることを恐れているからです。
あなたがその技術を受け継ぐことを認められたことは、
あなたの父親があなたを信頼し、彼が非常に尊重することを
意味しています。

それでも、知ることが怖いと感じているならば、
自分自身のペースで受け入れることができるように、
父親に話してみることをお勧めします。
彼があなたにその技術を教えたい理由や、
それが彼にとってどのように大切なことなのかを理解することで、
自信を持って受け継ぐことができるようになるかもしれません。

あなたがその技術を継承することで、
あなたの町の特産品である和ろうそくの文化や伝統を維持し、
将来的には新しい発展をもたらすことができるかもしれません。
その責任を果たすことができるように、あなたは自信を持ち、
この貴重な機会を最大限に活用することが大切です。