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#奈良時代

日本仏像史メモ(飛鳥・奈良時代)

日本仏像史メモ(飛鳥・奈良時代)

※勉強のためのメモにつき不完全。『日本仏像史』美術出版社を参照

飛鳥時代6世紀、百済から公的に仏教が伝来。百済が従属していた南朝・梁は仏教的世界観を重視。
高度に体系化された大乗仏教の理念、儀式、黄金の仏像を受容。
推古朝から本格的な仏教国家建設が始まる。

飛鳥大仏

〈安居院〉と呼ぶ仮堂に本尊の〈飛鳥大仏〉(釈迦如来坐像)を安置。かつての中金堂の位置。

建久7年の火災のため、当初部は一部の

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義江明子『古代王権論』岩波書店、2011年

・地位継承次第系譜において、「A――子(児)B」と書かれていても、AとBが親子関係にあるとは限らない。
・一つの血統による世襲王権の成立が6世紀の継体~欽明以降であることは、研究者の間ではほぼ共通認識となってきている。欽明から推古について、『上宮聖徳法王帝説』は、「右五天皇、他人を雑える無く天下を治すなり」としている。逆に言えば、これ以前は非血縁継承が普通に行われていたということが言える。王族の形

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仁藤敦史『女帝の世紀 皇位継承と政争』角川選書、2006年

本書は女帝中継ぎ論と藤原氏陰謀史観へ疑問を呈し、個別の権力争いではなく、奈良時代を通じた政策的課題を追求するもの。

・光明子立后の意義は、皇后執政権による天皇補佐にあった。(女性太上天皇の役割に等しい)

・広嗣は軍団兵士制を廃止するなど、対外的防衛を怠った聖武天皇を批判している。大宰府の実質的な責任者として、聖武天皇の弱腰を批判したといえる。橘諸兄に対する権力闘争ではなく、新羅との緊張関係を背

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