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調査稼業屋の怪廻奇譚

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あるはずのないテント その2

~前回までのあらすじ~ ののの率いる、ノウサギ生息頭数調査チーム(といっても土壌調査同様1班だが)は、北東北某所の山奥で地点設定を終え、折り返しのフェーズに入ったところで最も奇怪な存在に直面していた。 背丈ほどあるササ、土と汗のにおい。目の前に、持ち主不明のオレンジ色のテント。 調査の手法上避けられない問題が頭の中の容量を占める中、これまで調査関係者しか立ち入らなかった山中で突如現れた第三者の出現に困惑しながらも、軋轢のない調査を進めるためその存在に呼びかけるが、返事は得られ

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    • あるはずのないテント その1

      北東北の山奥で、古びたテントに出会った話 はい、おまっとさんです。  もちろん調査の話。 今回は少し、面白い内容ではないかもしれない。  しかし今にも、当時のメンタルや考えていたことが思い出される強烈な経験だったので綴る。  当事者の気持ちを想像しながら、お読み頂くと少し引き込まれるかもしれません。ちなみにnoteは、特に時系列ではありません。 これは、もう10年近く前になる話。それではお楽しみください。  ふるべゆらゆら 事実は、小説よりも奇なり。 「それ」を見たとき

      • 恐怖のがんもどき2

        連日の土壌調査がきつすぎて同行者にブチ切れられた話 その2〜前回までのあらすじ〜 ののの率いる土壌調査チームは、単独1班編成で雷撃戦を続け、破竹の勢いで数々の調査地点の土壌サンプルを得ていた。しかし、新潟、群馬、福島、栃木、山梨、埼玉の過酷な数量、急な斜面、降雪が迫る高標高の調査地点、到着したら土が全くない全部岩盤みたいな地形の地点に苦戦を強いられていた… 閑話休題 皆様は、群馬県と新潟県の県境がどんな環境か、行ったことはおありだろうか? 高速関越自動車道を通って、新潟に

        • 恐怖のがんもどき1

          連日の土壌調査がきつすぎて同行者にブチ切れられた話 その1突然ですが、皆さんはがんもどきは好きですか?  先日帰省したおり、何故か母親が作ったおでんを前に 「アンタ、がんもどきも食べや」とがんもどきを嫌いだといった覚えもないのにひたすら勧められ、がんもどきを食べながら思い出したことがあるので綴る。 もちろん調査の話 まだ20代で、入社して数年の頃にわしは森林土壌調査を担当した。 調査の内容は、森林土壌が包括する二酸化炭素の吸収量を把握する目的で、関東ブロックに散らばる座

        あるはずのないテント その2

          ののno+e

          はい、おまっとさんですnoteをはじめました  需要があるかわかりませんが、2024になったら始めようと思っていた noteを始めました。ごく限られたフォロワーさんの中でも、僕の仕事や日常をnoteにまとめてはどうかといったご意見を頂くことがあり、個人的にも 文章を書くのは嫌いではないので、普段のポストで見知ったことやスペースで話した話を文章化して、ご笑覧頂ければと思います。 いつまで続くかわかりませんが、時折のぞいてもらえればうれしいです。 主なハッシュタグは都度考えま