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あるはずのないテント その2


~前回までのあらすじ~
ののの率いる、ノウサギ生息頭数調査チーム(といっても土壌調査同様1班だが)は、北東北某所の山奥で地点設定を終え、折り返しのフェーズに入ったところで最も奇怪な存在に直面していた。
背丈ほどあるササ、土と汗のにおい。目の前に、持ち主不明のオレンジ色のテント。
調査の手法上避けられない問題が頭の中の容量を占める中、これまで調査関係者しか立ち入らなかった山中で突如現れた第三者の出現に困惑しながらも、軋轢のない調査を進めるためその存在に呼びかけるが、返事は得られないのだった。

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