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恐怖のがんもどき1

連日の土壌調査がきつすぎて同行者にブチ切れられた話 その1

突然ですが、皆さんはがんもどきは好きですか? 


先日帰省したおり、何故か母親が作ったおでんを前に
「アンタ、がんもどきも食べや」とがんもどきを嫌いだといった覚えもないのにひたすら勧められ、がんもどきを食べながら思い出したことがあるので綴る。

もちろん調査の話

まだ20代で、入社して数年の頃にわしは森林土壌調査を担当した。
調査の内容は、森林土壌が包括する二酸化炭素の吸収量を把握する目的で、関東ブロックに散らばる座標に赴き、1地点当たり4か所の断面を手堀りで掘削して断面を観察した後、層別に土壌のサンプルを持ち帰るといった内容。
末尾の調査地点Noが5であれば、深さ1m真角に代表断面と呼ばれる土壌断面を手で掘削しなければならない。
とにかく地点着後からやることが多く、今考えたら体勢も工程計画もめちゃくちゃな調査だったと思う。

調査地点も、ランダムに決められた座標に行かなければならず、関東甲信越に散らばるポイントに、胡散臭い到達経路図を頼りに向かうが、当然登山道等ないので、ササだらけだったり、ガレ場を数時間歩いて、そこから穴を掘って10kg以上になる土壌サンプルを持ち帰るというとにかく過酷を極める調査だった。

何故か着手が遅く、諸々の手続きが終わって現地調査に着手できたのは9月中旬だったと思う。 
関東ブロックの調査地点は、60地点以上はあったか。にもかかわらず、編成されたのは、のののをリーダーとした1班のみ。
1班3名から構成され、付き合いで来てくれたわしの先輩K口氏、そして派遣社員のMさん。当然二人とも土壌調査の経験はない。
今考えてもおかしかったと思う。
(本件を受注した上長と、当時のわしの上司が仲がすこぶる悪かったことも原因か)
この調査を対応している間は、もうあまり記憶がないが1週間のルーティーンはだいたいこんな感じだったと思う。

・月曜日:早朝、二人を都内で拾って、現場に向かい、林道の様子を見たり、林務官からゲートの鍵を借用したりして、近い地点であれば調査を少し進める
・火曜~金曜:日の出から日没まで土壌調査 
・土曜日:宿の予約や地点決め、経費の精算等
・日曜日:休み(カヌーしていた) 
これを9月~11月の3ヶ月間続けていたのだから正気の沙汰ではない。

駐車位置から近い地点であれば良いが、歩いて数時間かかるとにかく遠い地点であれば、穴を掘り切らない限り、翌日また行かなくてはならない。
これが本当辛かった。。しかも、秋にさしかかると、毎年言っているが
「日が沈むのが早くなってくる」ものだから、下山の判断は慎重。
行きに3時間かかって、6時に車を出発して9時に現着、日没近い16時には車に戻りたいから、「切り上げるのは逆算して13時!?」
げげ~作業時間4時間で5個も穴掘るとか無理~ ということが毎日だった。

はい、がんもどき関係あんのかよ。
と思いましたね。
続きをお待ちください。 

 



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