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生ゴミは、”ゴミ”じゃない。本気の「おうちでズボラコンポスト」のすヽめ

コンポストとは、堆肥をつくるシステムのこと。


現代に暮らすわたしたちにとって、当たり前になっている「ゴミ出し」の習慣。

野菜の切れ端や食べ残しなど、ありとあらゆる食べ物を平気でゴミ箱行きにしていませんか?

ゴミ袋に生ゴミをためたまま、可燃ゴミの日まで保管しなきゃならなくて、毎回「ああ〜くさい・・」って、なっていませんか?


先日あるPodcastを聴いていたところ、日本のゴミで最大の課題と言われているのは「生ゴミ」という話をしていました。

フードロスの観点もあるけれど、ここでは生ゴミに注目して話を進めます。


ただでさえ国土が狭いのに、どんどん捨てて、どんどん燃やして・・しかし灰が残ってしまうので埋める、を繰り返している今。


でも、それってちりつもやんね。しかも20年後、日本で埋め立ての場所がなくなってしまった時のことを誰も考えていないなんていうから、後先考えずに短期的に物事を進めることの恐ろしさを感じます。

プラス、ゴミ処理にはお金がかかる。わたしたちが普段支払っている税金が、ゴミのために使われている。ゴミを出せば出すほど、人件費や設備代など、税金はゴミのために流れていってしまうのです。


そもそも、わたしたち生き物って、人間も植物も動物も、全て土から生まれて土に還るもののはず。そんなこと、しなくたっていいのに。

今のシステムが戦後に確立するまでの間、みんな家庭の生ゴミをどう処理していたの?という話になるわけです。


地域や家庭によって色々あったとは思いますが、早い話、土さえあれば生ゴミ問題は自宅で解決できる

そこでわたしは、アースデイの今日こそ(もう日本は過ぎてしまったけれど)本気でオススメしたいのです。誰でも実践できちゃうコンポストの存在を。


ズボラな人・忙しい人こそやるべき!コンポストのメリット

特徴をお話しする前に、わたし的「コンポストを実践するメリット」って、思いつく限りでは以下が挙げられます。

・とにかく簡単!

・毎日やる必要はない

・生ゴミのニオイに悩まされない

・庭がなくてもOK

・肥料として、栽培に使える

・ひとり暮らしでも、家族がいてもできる

・食べ物を大切にいただこう、という気持ちが湧く

・アーシングができる


ゴミ出しって、だいたい曜日や時間帯が決まっているものなので「ああ、生ゴミ出し忘れた〜」なんてこともあるでしょう。

しかし、自宅にコンポストがあれば、スケジュールを気にする必要はありません。


コンポストによってできた土は、有機肥料として家庭菜園とかキッチンハーブにも使えます。

が、別にそういうのをやらなくても、コンポストを続けたところで大して土は増えないので、あんまり心配しなくて大丈夫だと思います(やり方によるかもしれないが)。


あと、よく「庭がないから」「スペースがないからできない」という声も聞きますが、現在ワンルームアパートひとり暮らしのわたしも、室内で実践しています

住んでいる家族の人数にもよるかもしれませんが、そんなにスペースをとるわけでもない(冷蔵庫とかよりは全然小さい)し、量をある程度ためてから土に混ぜればいいので、毎日やる必要がないという意味では、コンポストはズボラな人・忙しい人に向いているんじゃないかな、と思います。

個人的には、生ゴミを袋に入れてベランダに置きっ放しにするのも嫌だし、そこに虫が湧くのも嫌。毎回袋を触って手がベタベタするなんて論外。だからコンポストをやっている、というのも案外大きいです。


あと、これも個人的に好きな点として「土いじりはセラピー」になります。結構、癒しの時間です。


コンポストの大まかな仕組み

ところで、コンポストの仕組みがよくわからない、という方もいらっしゃると思います。

わたしが知っている範囲での話になりますが、コンポストを利用した場合のざっくりしたルーティーンって、こんな感じです。

・土に穴を掘る

・家庭で出た食べ物の残りを入れて混ぜ、上から土をかぶせる

・数日放置する

・以上を繰り返す


これだけです。

土ってただの茶色い物体ではなくて、目には見えない生き物たちが無数に住んでいる場所。

そこにはちゃ〜んと生態系システムがあって、わたしたちが出した食べ物の残りを食べてくれています(ありがとう〜)。

時間をかけて分解されたり、排出されたりしてできたのが土、ということ。生命の神秘ってすごい。


自然界では、命絶えた生き物が埋葬されることなんてまずありませんが、それでもいつの間にかいなくなっているのは、死骸を食べる生き物たちもまた地球に存在していて、時間をかけていずれ土に還るようなシステムがあるから。

人間が思っているよりも、土の存在ってずっと壮大で、ロマンティックで、エコなのだ。


ちょっと話がずれましたが、コンポストが一家に一つあれば、毎回生ゴミをゴミ捨て場に持って行く時の、あの不快なニオイに悩まされることなく、土に還せばいつの間にかなくなっている!という、魔法のような循環を作れてしまうのです。


コンポストに必要なものと、作り方

ここでは、わたしが実践した経験のある「庭タイプ」と「木箱タイプ」の2種類を紹介します。

どちらも少ない材料で、テキトーにできるのがいいところです(わたしのズボラ度がバレる)。


ズボラコンポスト1. 庭タイプ

ひとことで言えば「庭に穴を掘って、食べ残しを埋める」です。

世間ではそれ専用の装置を作る人も多いですが、特に気にしない人や、大きなスペースがない人にはぴったりのやり方じゃないかな。

わたしは、千葉のエコヴィレッジで宿の人をしていたとき・実家で猫の額ほどのスペースがあったときに、このやり方を実践していました。


用意するものは、適当なスペース(庭・土壌)スコップ(シャベル)、あと軍手のみ(わたしは面倒なので素手)。


まずは穴を掘ります。入れる食材の量によりますが、これから入れるものが埋まる程度の深さがあればOKです。

ここに、食べ残しや調理の段階ででた食材の切れ端などを入れ、ちょっと穴の中で土と混ぜ合わせます。

最後に、最初に掘ったときの土でカバーすれば完了です。


ね、簡単でしょう?

毎日同じ穴に入れてもいいですが、もしスペースがあれば2〜3箇所穴を作り、順番こに使用すると、微生物の分解スピード合わせられるんじゃないでしょうか。

分解スピードは季節や食材によりますが、早くて数日、冬の寒い時期は数週間で大体いなくなっています。微生物マジック。


ちなみに、実家は普通に都内の住宅街なのですが、このコンポストを続けて1ヶ月くらい後から、ミミズがめっちゃ増えました。あと、カブトムシの幼虫がいっぱいいた。

それくらい、土が健康になったということです。


ズボラコンポスト2. 木箱タイプ(室内・ベランダ向け)

まさに現在、わたしがアパートに住みながら実践中の方法がこちらです。


よく「段ボールコンポスト」とか「ぼかしコンポスト」というのも聞きますが、ダンボールはGの餌食になりやすい気がする&見た目がちょっと微妙&始める時点でダンボールを持っていなかった、のでパス。

ぼかしは、定期亭にぼかし菌を購入しなくてはならないのと、処理時に出てくる液体のやり場に困ってしまう(そんなに肥料いらない・・)ということで、今回わたしには合わず。


そこで、色々考えて「これでよくない?」と辿り着いたのが、ただの箱に土を入れた仕様の「究極ズボラコンポストBOX」でした。


用意するものは、

・深さのある入れ物(ガーデニング用品店で買った、幅40cm * 奥行き20cm * 高さ15cmくらいの木箱を使用中)

・土(なんでもいいと思うけど、今回は同じくガーデニング用品で買った、Organic compostがベース)

・土を混ぜるもの(引越し時、キッチンですでに壊れていたプラ製ヘラ)

・箱の上にかけるカバー(紙とか布とか。通販したときの梱包紙で代用)

・箱の下に敷く古紙、高さを出すもの(ダンボールを丸めて台にした)


カッコ内は、わたしが実際に使っているものです。結構テキトーですが、ベースとなるボックスは自然素材(多分ホントはこの中に鉢を入れるのでしょう)、土は化学肥料を使用していないものを選びました。あとは寄せ集めです。

My compost box はこんな感じ。

あ

普通に室内でやっています。ベランダでもいいけれど、北欧はまだ寒い。

室内の方が温度が安定して分解しやすいようです。


写真ではちょっと見えづらいのですが、底面の両端に、これまた通販でやってきたダンボールをリユースした台(筒状に丸めただけ)をのせ、ポストに入っていたなんかのカタログを敷いて水漏れ対策をしています。

実は最近まで段ボールの台がなく、毎日とは言わないが割と頻繁に底から水が漏れていて、カタログが濡れていたのですが、段ボール台を設置してから水漏れ被害はありません。


色々と調べたところによれば、あまりのプランターとかでもできるらしいのですが、わたしは新規購入の必要があったので木箱にしてみました。

そこに8分目くらいまで土を入れます。

あとは必要に応じて穴を掘り、食材の残りを入れてまぜ、上から土をかぶせるだけ。


ここでのポイントは、3つあります。

1. 庭タイプと同じように、数カ所に区切って順番こに穴を掘る

2. 土がほんのり湿るくらいの水を加える(もし生ゴミが水分を含んでいればナシ)

3. 混ぜたあとは、完全に土で覆う(これ大事!)


よく「虫が湧きそう」とか言われますが、最後の「土でおおう」を徹底すれば、まず大丈夫です。なんかミジンコサイズの子達が土で戯れていることはありますが、わたしは微生物の類だと思って無視しています。ボックスの外に出てくるわけじゃないし。

さらに、ボックス自体をカバーするものがあれば、土の乾燥も虫の混入も防げて安心です。



ここまで「食材の残り」としか書いてきませんでしたが、食材は基本なんでもいいのだそうです。

わたしは普段ほぼベジなので植物性が中心ですが、お肉や魚・乳製品をいれても大丈夫です(液体はちょっと危険)。あ、でも普段からレディメイド品とか、添加物入りのものは食べないので、そういうのは入れません。


中には、微生物たちが苦手なものもある様子。

わたしは今のところ、玉ねぎの外皮は避けています。あとみかんの皮も。この2つは乾燥させてから可燃ゴミに入れている(体積&匂い撃退)けど、それ以外は問題ありません。もちろん食材によって差はありますが、いずれ分解されていきます。


むしろ、微生物のバランスを保つためには、多少の動物性成分があったほうがよいらしい。なのでほぼベジのわたしは、爪切り耳かきの際に出たものを、コンポストにポイしています。ここでもゴミ削減!

とことんズボラな人も、そうでない人も、コンポストのうえで爪を切ったり耳をかいたりすればいいのではないでしょうか。ティッシュとかいらないし。



そんな感じで、わたしの大雑把すぎる性格の暴露とともに、いかにコンポストを簡単に実践できるか?をまとめてみました。

調べれば調べるほど、本格的な設備を作って実践している例や、便利な道具も色々出てきますが、基本的に土と入れ物(場所)・混ぜるものさえあればなんでもいいと思うのです。


あ、ちなみに、コンポストに入れるまで生ゴミを溜めておく入れ物も、なんでもいいと思います。気をつけるべきは、保管中に匂いが漏れないよう、フタ付きの容器を選ぶこと。

人によっては冷凍庫に入れておくようですが、わたしはリトアニア民芸品の小さな陶器ツボに、料理中出た子たちをぽいっと入れて、室温でそのまま放置しています。まだハエは寄ってきません。


そんな感じで、誰でも家でできちゃうコンポスト、はじめてみると意外とイージーだし、土の微生物たちとの付き合い方から「食べ物を大切にしよう」という気持ちも芽生えてくるし、ゴミも減らせていいことばかり。

ぜひぜひ、気軽にチャレンジしてみてくださいね。

もしわたしの言葉や想いに共感していただける方がいれば、サポートをして下さるとうれしいです。 ひとりでも多くの方へ「暮らし」の魅カを伝えるための執筆・創作活動に使わせていただきます。