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生活に戻る瞬間

私は自分の生活に戻ってくる瞬間がたまらなく好きである。
自分の生活に戻ってくる瞬間は、身体と心が静まり返り透明になるような清々しく、軽やかである。

普段の生活を送る中で様々な人と出会い、他人の生活や意見に触れる。
私はその事柄にひどくくたびれる。
その事柄は、いつも私に驚きや喜び、時には悲しみもくれる。新しい世界を見せてくれる。
しかし、どの生活も私の生活の中では重要ではない。このことは、人と比べることとも言い換えられると思う。

私は私の生活について、他人から口出しされるつもりもないし、知られることすら億劫なのである。
他人の生活について触れる時に、嫌でもその事について自分の意見や考えを持つと思う。本当は全部を肯定したいのに、自分の心が勝手に動くようにエネルギーを消費する。

そんな喧騒の中にいると自分の生活、リズムを忘れてしまう。
だから、ふと一人になり自分の生活に戻ってくる瞬間がたまらなく好きなのである。
自分の生活に戻り、世界の色と温度を感じることに心が満たされる。

その感覚は、ホットコーヒーをゆっくりと飲んでお腹がじんわりと温かくなっていく感覚と似ている。

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