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Wave's Diary, エドワード・ホッパー -3rd, July, 2022-

 題が全て。エドワード・ホッパーが好きだ。

 

 エドワード・ホッパーとは、1882年にアメリカはニューヨーク州ナイアックに生を受け、1930年代に精力的に活躍した画家である。濃淡なタッチと隠し撮りしたかのような生々しさ、そして代名詞とも言える光と影の絶妙なバランスが、世界中から評価されている。

 特に美術や芸術に造詣が深いわけではないけれど、彼の絵は本当に言葉では言い尽くせない魅力が滲んでいるような気がして、とても好きだ。

 特に、光と影。日中や海を描いている絵は明るいのにどこか侘しくて静かで、夜の絵は直線を使って幾何学的なのに明かりや人々の顔がゆっくりと溶けている。そんな”二面性”が好きで仕方ない。


 そんな人気のホッパーの絵は挿絵や表紙として、深く文学に関わっている。その中でもグレイスペイリーの三部作は、物語と絵の世界観が程よく噛み合っていてトリップできる作品となっている。

 叶わない願いだが、彼が自分の小説を絵としてくれるなら、どれほど幸せだろう。

 彼は生前様々な苦労を積み重ねたらしい。今でいうフリーランスだった彼は営業に走り回り、穏やかな日々を送れたのは30代半ば。代表作である”Night Hawks”は彼が40歳の時に描いたものだ。

 彼の作品の中でとびきりお気に入りなのは”Rooms by the sea”という作品。白い壁が大きく描かれ、溢れる陽光が翳りを生み出している。左手には赤いビロード調のソファが見え、右手には静かな海が見える。

 世界観に引き込まれる絵は様々あるが、引き込まれたいと思う絵はこれが初めてだった。

 今日は眠りにつく前に、彼の絵を見ようと思う。たまには懐古も回顧もいいじゃないか。

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