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ドラマトーク#14 2022春のドラマ的近況

もう5月も半ば、各ドラマも中盤に突入してきた。
今期の私は、なんとか今のところ1週遅れくらいで録画を消化している。

ジャニーズ主演の大型ドラマ『マイファミリー』『未来への10カウント』『金田一少年の事件簿』

今期、ジャニーズタレントの出演作が多いという話はすでに別記事にも書いた。

二宮和也主演の『マイファミリー』(TBS系・日曜21時)は、主要キャストに多部未華子濱田岳賀来賢人玉木宏松本幸四郎と日曜劇場らしい豪華かつ実力派の面々が揃っている。
ドラマの内容も、ストーリーの軸になるのは誘拐事件なのだが、単に主人公対誘拐犯との戦いだけなく、警察とも対立したり、時には身内の裏をかいたりと、複雑で先の読めない展開が次々と繰り出されてくるのが面白く、この先も楽しみ。

『未来への10カウント』(テレ朝系・木曜21時)も主演に木村拓哉、主要キャストは満島ひかり安田顕内田有紀生瀬勝久波瑠柄本明と、局の力の入れようがわかる豪華さ。
学園スポーツドラマということでとにかく出演者の数が多く、さらに脇役教師陣で八嶋智人富田靖子など、サブキャストではもったいないような演技派のベテランたちも出演していて、ちょっとした掛け合いのシーンでも観ていて楽しい。
ドラマ自体も、今回は木村が割と抑えた演技というか、役柄的なこともあると思うが、いわゆるキムタクっぽさが薄くてナチュラルな演技をしていて、私は意外といいなと思った。
木村演じる桐沢はにわかに母校である高校のボクシング部コーチ兼非常勤講師となるのだが、キャラクター的には暗い過去を背負いつつも至極常識人というか、生徒たちへのかかわり方などが、正規の現役教師である満島や内田のキャラクターよりもある意味冷静で的確で、観ていて共感できるところも多い。
また生徒役ではKing & Prince・髙橋海人村上虹郎らすでに実績ある有名どころの若手から、佐久本宝坂東龍太山田杏奈山口まゆなどあちこちの作品でよく顔を見かける注目の若手、さらには三浦櫻井海音など最近出てきたフレッシュな若手まで多岐に渡って出演しており、演者の多い学園物ならではの様々な人間模様も、丁寧に描かれているのではないかと思う。
スポーツで勝利を目指す単なる学園物でなく、桐沢の過去や教師たちとの関係性などもバランスよく絡められたストーリー展開になっており、ドラマ開始前と比べると私の中での期待値は上がってきている。

今回で5代目主人公となる『金田一少年の事件簿』(日テレ系・日曜22:30)は、昨年CDデビューしたなにわ男子のエース・道枝駿佑が主演に。
私は世代的には完全に初代・堂本剛の金田一の世代で、とにかく金田一イコール堂本剛のイメージが強烈にある。
ドラマも剛版は当時熱心に観ていたが、2代目以降は、初代のイメージを崩されたくないというか、初代に慣れ過ぎて主役が違う人なのがどうもしっくりこず、あまりきちんと観た記憶が実はない。
なので、今回もあまり乗り気ではなく試しに観てみるか、という感じで見始めたが、今のところ初代と比較しての拒否反応ぽい物は感じておらず、普通に観れている。
まあ、初代から25年以上経って、さすがにしっくり来る来ないは薄れたと思われるのと、道枝の演技がいい感じに力が抜けていて、ナチュラルというか、アクも強くないのがいいのかも。(2代目の松潤の、気合入ってます! みたいな感じが、キャラ設定もあるのかもだが、どうも苦手だった…。)
エピソードは過去のシリーズで出てきたものもあれば、初めてドラマ化されるものもあるようだが、全体的にわりと私が知っている初代の作風に近いというか、馴染みある雰囲気の世界観で描かれているので、今のところ楽しく観ている。

華やかな主演女優陣『元彼の遺言状』『恋マジ』『じぞ恋』『悪女』『やんごとなき一族』

この5作品はいずれも、開始前から私としては期待値の高かったドラマ。
そして今のところ、期待どおりに見応えある作品になっていると思う。

綾瀬はるか主演の『元カレの遺言状』(フジ系・月曜21時)は、前クールの『ミステリと言う勿れ』に続いての月9でのミステリー物になるが、何なら『ミスなか』より面白いかも。
綾瀬演じる鼻息の荒い女弁護士のキャラは少々微妙だが、1つ1つのエピソードも面白く、脇を固める大泉洋浅野和之らとの軽妙な掛け合いも良い。
現在放送中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(日曜20時)では敵対する婿舅の関係だった大泉と浅野が全く別のキャラクターで絡んでいるのにも注目。

『恋マジ』こと『恋なんて、本気でやってどうするの?』(関テレ/フジ系・月曜22時)は、実は今期一番、開始前から期待して、注目しているドラマ。
主演は広瀬アリスだが、その相手役として2021年度後期の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK)出演で大注目となったSixTONES・松村北斗が、ついに本格的ラブストーリーのドラマに出る! ということで、カムカム以前から松村の出演作を追っていた私としては、物凄い期待値が。
このドラマは、広瀬&松村だけでなく、全部で3組の恋愛模様が並行して描かれていくのだが、中盤に差し掛かった現在、ドラマ全体のストーリーや展開も申し分なく、キャラクターもそれぞれに魅力的で、恋愛物ならではのキュンキュンシーンも散りばめられていて、毎週楽しみに観ている。

今期もう1つの恋愛ドラマ『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(TBS系・火曜22時)も、『恋マジ』とはまた違ったテイストの恋愛物で、注目したい作品。
上野樹里を主演に、『恋マジ』よりもちょっと上の世代の恋愛と結婚、さらにはその親世代の恋愛も描いており、田中圭井川遥松重豊磯村勇斗といった年代もライフステージもそれぞれ違うキャラクターたちをうまく絡めたストーリーが展開されている面白いドラマになっていると思う。
なお特筆したいのは、30代半ばになった上野の演技。
ここ数年は未婚の役から既婚の役まで行ったり来たりしているのだが、結婚して子供もいる役だった『監察医 朝顔』(しかも連ドラ2期めは2クール半年放映だったのでより強く印象に残った)後でまた今回、違和感なく恋愛物の未婚の役をナチュラルに演じ、観るほうにも以前の役柄を引きずらずに観せる演技力が素晴らしいと思った。

『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日テレ系・水曜22時)の主演は、連ドラ初主演の今田美桜
作品自体は、言わずと知れた深見じゅんのマンガが原作であり、30年前にも同局で石田ひかり主演で連ドラ化されていて、さらに今作では主人公・麻理鈴を指南する謎の先輩・峰岸役が江口のりこと聞いて、絶対面白くないわけがないだろうというドラマへの期待はあった。
ただ主演の今田に関しては、今までの出演作でまあまあ印象的だった役どころと言うと『花のち晴れ~花男 Next Season~』(2018年・TBS系)の愛莉役や、NHK朝ドラ『おかえりモネ』(2021年度前期)の神野マリアンナ莉子などで、普通に演技は上手だったと思うが、主演に抜擢されるほどかな? と正直ドラマ開始前は思っていたのだが、始まったら予想以上に良い。
麻理鈴の破天荒なキャラクターにも無理なくハマっているし、ちょっと変わり者なはずの麻理鈴がとにかくキュートで魅力的に見える演技をしていて、知らず知らずのうちに物語の世界に引き込まれる感じで今や毎週観ている。

土屋太鳳主演の『やんごとなき一族』(フジ系・木曜22時)はマンガが原作の「アフター・シンデレラ・ストーリー」。
簡単に言ってしまうと、いわゆる庶民の主人公が名家に嫁いで親族一同から虐げられる…というよくありそうな設定なのだが、嫁ぎ先の家族に木村多江倍賞美津子松本若菜尾上松也石橋凌と、名前からして怪演を期待してしまうキャスト陣が揃っていて、夫役の松下洸平もいい感じに頼りなさそうで、面白いドラマになりそうという期待感がスタート前からあった。
実際、現実離れしたドロドロの修羅場がむしろ笑えるし、それを主人公が撃退するのを観てスカッともするので面白く観ている。

男性主演作『ナンバMG5』『インビジブル』『パンドラの果実』

今期からの新ドラマ枠『ナンバMG5』(フジ系・水曜22時)の主演・間宮祥太朗は前クールの『ファイトソング』からの2期連続出演。
『ファイト~』はラブストーリーだったので全然ジャンルも何も違うのだが、でもはっきり言って、作品も役どころも今作のほうが全然良い。
マンガ原作で、いわゆるヤンキー物ってちょっと時代遅れじゃないのかな? と始まる前は勝手に思っていたが、意外と面白く観れている。
実は演出が『踊る大捜査線』シリーズを手掛けた本広克行氏と知って、なんか納得した。
ヤンキーのキャラクターたちや喧嘩のシーンはけっこうガチなので、好みは分かれるとは思うが、一見する価値はあり。

どちらも主人公が警察官で事件解決物の、高橋一生主演『インビジブル』(TBS系・金曜22時)とディーン・フジオカ主演『パンドラの果実』(日テレ系・土曜22時)も、ドラマの作り・内容共にクオリティが高い作品。
どちらのキャスト陣も豪華かつ演技派ぞろいで、作品も骨太な感じの作りだが、決して似通っているとかではなく、それぞれに楽しめる作品となっていて、おススメ。

ジャニーズ×深夜帯『俺かわ』『吉祥寺ルーザーズ』『受付のジョー』

『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレ朝系・土曜23:30)はHey! Say! JUMP山田涼介が主演。
若手の出演するイメージが強いいわゆるジャニーズ枠の深夜帯に、もはやジャニーズの中でも中堅となり、すでに数多くの映画やドラマに主演もしている山田が出てきたのはちょっと不思議な感じがしたが、今作はオリジナル作品ということで、30歳目前の今の山田ありきでのこのタイトルと内容なんだろうなと考えるとまあ納得。
山田もヒロインの芳根京子も演技は確かだし、ストーリーもなかなか面白くて毎週楽しく観ている。
とにかく、第1話の、古田新太が山田に秘密を打ち明けるシーンが衝撃すぎて、一気にこのドラマの世界に引き込まれてしまった次第。
観ていない人はぜひ事前情報なしに第1話を観てほしい。

NEWS増田貴久主演『吉祥寺ルーザーズ』(テレ東系・月曜23:06)は、秋元康氏の企画・原作による、吉祥寺のシェアハウスで共同生活をすることになった男女6人のシチュエーションコメディ。
開始前観るか迷っていたが、吉祥寺という舞台にちょっと惹かれて観ることにしてみた。
キャスト陣は田中みな実國村隼片桐仁濱田マリなど、意外にベテラン勢が多く出演しているので、演技は安心して観ていられるのだが、やっぱり当初の迷いどおり、あまり面白いドラマとは言い難いのが現状…。
なんというか、ちょっとした面白いやりとりや軽妙なシーンももちろんあるのだが、全体で見ると、脚本のせいなのか何だか間延びした感じがするというか、退屈な感じが勝ってしまう。
まだとりあえず観続けてるけど、もしかしたら脱落するかも…。

『受付のジョー』(日テレ系・月曜24:59)はKing & Prince・神宮寺勇太の初主演ドラマ。
深夜にしては豪華、ということもなく、かと言ってチープな作りでもない、良い意味で深夜らしい、良作な深夜帯ドラマになっていると思う。
ストーリーも、受付デジタル化を掲げる主人公と、それに反発する受付嬢たちとの、受付の仕事を共にしていく中で徐々に変化していく関係性や一人一人のキャラクターのエピソードが割と丁寧に描かれていて、神宮寺をはじめキャスト陣の演技も確かで、深夜30分1話にしては見応えがあるし、何より主人公・城が見た目も中身も好青年で、深夜に癒されている。

今期観ている連続ドラマは以上。
(あ、NHKの朝ドラ『ちむどんどん』(月~金朝8時)と大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は観ている。)
またいろいろ思うところを書いていこうと思う。

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