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NASAより宇宙に近い町工場〜僕らのロケットが飛んだ〜

ZOZOTOWNの社長、前澤友作氏が民間人初の月周回計画を発表したり、下町ロケットの続編が面白いだとか、何かとテレビや新聞などで宇宙やロケットの話を耳にします。
今回の推薦書は北海道の小さな町工場ですべて自腹で宇宙ロケット開発に取り組み、米国のNASAからも注目される植松電気専務取締役の植松努著書、“NASAより宇宙に近い町工場”です。

著者の植松努さんはTEDx(世界中の著名人によるさまざまな講演会を開催、配信しているTEDの精神でもあるidea worth spreading(広める価値のあるアイデア)を世界各地で発足しているコミュニティー)で行ったスピーチが300万回以上再生され、その中で“「どうせ無理」をなくす”と宣言しています。
本書でもその思いに至った経緯が紹介されていて、小学生の頃の担任の先生に全否定をされていたことがその原因だったとありました。自分も43年間いまだに叱られてばかり。なかなか褒められることは少ないのでとても心に刺さりました。
“「北海道の田舎で宇宙開発をやってるんだから、これくらいのことはできるんじゃないの」と思う人が増えてくれたら、世の中が少しよくなるんじゃないか” という思いをモチベーションに、社員17名(NASAはおよそ18,000人)の工場で実際に自家製ロケットを開発するまでになった植松電気は、もとは植松さんとお父さんのふたりきりの個人事業からのスタートでした。会社なんて作ったことはないからどうしていいのか分からなかったとき、「わからない」というのは、自分の状態を示しているだけで、「お腹が減った」とか「寒い」といっているのと同じことだと気がつき、おなかが減ったら何かを食べたり、寒かったら何かを着るのと一緒で、分からなかったら調べればいいと思い、「近所の本屋で自分でできる会社の作り方」という本を買って株式会社植松電気が誕生したエピソードがありその中で“大切なことは「わからないこと」をそのままにしなければなんでもできる。”というごく当たり前のことが語られていますが、その“当たり前の事”を頭で考えているだけじゃなく、実際に行動に移せるがどうかが大切でたとえば、毎日歯を磨くとか暴飲暴食しないとか当たり前のことをしていれば健康でいられるのになかなかそれができないのが人間の性。話は少し逸れてしまいましたが、続かなかったり諦めてしまった事があっても、何もやらないよりは全然いいと植松さんは読者を励ましてくれます。

“人間は誰でも「足りない」んです。足りないからこそ、好きなことを伸ばそうとします。その好きなことに、「よむ」「かく」「つくる」「しらべる」をくっつけたら、どんなことでも素敵な研究開発になる。”
だから「人に弱みを見せる」というのは必要なのかもしれないと植松さん。
さまざまな経験から導き出された思いや言葉は、これから何かをはじめようとしている人や、思っていてもなかなか行動に移せないでいる人をやさしく後押ししてくれると思います。

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