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パキスタン煮込み料理ニハリ

ニハリは、パキスタンで最も有名な国民食のひとつです。羊肉や牛肉をじっくり調理したスパイシーなカレーで、その食感はなめらかなグレービーソースと柔らかい肉から成ります。この独特な食感は肉の結合組織が柔らかくなりまで時間をかける調理方法によって生まれます。

ニハリは、ムガル帝国下のラクナウ発祥のシチューで、ニハリという用語は、「朝」を意味するアラビア語の「ニハール」に由来しています。歴史的に、ニハリは肉を一晩かけてじっくり調理し、日の出頃の早朝に食べる朝食でした。特に寒い季節に、労働者階級の人々が空腹時に重くてエネルギーの高い朝食として消費していました。しかし、この料理は後にかなりの人気を博し、最終的にはムガル帝国時代の宮廷料理の定番となりました。

ニハリは、インド亜大陸のイスラム教徒の料理全般とともに発展しました。1947年のインド分割後、インド北部からウルドゥー語を話す多くのイスラム教徒が西パキスタンのカラチと東パキスタンのダッカに移住し、この料理を提供するレストランを設立しました。ニハリはカラチで人気となり、またたくまにパキスタン全土に広がりました。

ニハリの缶詰

時が経つにつれて、ニハリの人気は朝食の枠を超え、いつでもどこでも楽しめる人気の料理になりました。現在、パキスタン料理の大切な一部であり、数え切れないほどの家庭やレストランの定番メニューとなっています。調理時間のかかる贅沢なニハリは伝統的に寒い季節の夜に食べられます。

ニハリのスパイスミックス

一部のレストランでは、毎日残ったニハリから数キロを翌日の鍋に追加します。秘伝のタレとして独特の風味をもたらすと考えられており、タールを1世紀以上使い続けているニハリ店もあると言われています。

ニハリ店

ニハリはナンと一緒に食べられます。ニハリの重要な要素である肉は、柔らかく風味豊かにするために何時間も煮込まれます。ゆっくりと調理することで風味が溶け込み、濃厚で香り豊かなグレービーソースが生まれます。

ナンと一緒に!

付け合わせには、新鮮なコリアンダー、青唐辛子、生姜の千切り、フライドオニオンが欠かせません。ヨーグルトまたはライタが添えられることもります。これらの付け合わせはニハリを一層引き立てます。

トッピングは欠かせません

各家庭には秘伝のスパイスやレシピがあり、時間の試練に耐えゆっくりと調理されたニハリは、パキスタンの多様でおいしい食文化の象徴であり続け、世界中の食の愛好家を惹きつけています。

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