パキスタン新春恒例凧揚げ大会
春の風物詩であるバサントの凧揚げは、パキスタンに春の始まりを告げます。新年が明けると、パキスタンでは様々な形をした色とりどりの凧を揚げる様子が増え、人々はバサントを祝う準備を始めます。バサントは、パンジャーブ州のバサント・パンチャミ祭りで行われる春の凧揚げイベントです。
バサントの凧揚げはワザや美しさを競うのではなく、相手の凧糸を切る競争を行うため、参加者は凧のけんかで優位に立とうと、金属製の凧紐、ガラス片を練り込んだ凧紐、酸を染み込ませた凧紐といった危険な凧紐を「けんか凧」のために使います。そのため、バサントの凧揚げは、死亡事故につながる安全上の懸念から2007年に禁止されました。
バサントの凧揚げでは、近所の人や通行人が顔や喉を切ったり、鳥や動物も体を切られたりと事故が後を絶ちません。また、金属製の凧紐が送電線にひっかかり感電死したり、感電死を防ぐために送電網をオフにすることでコストがかかるなど、様々な問題が起こります。
パンジャーブ州政府によるバサントの禁止令にもかかわらず、ラワルピンディ凧揚げ協会は、バサントを祝うことを発表しました。
ラワルピンディ凧揚げ協会は、バサントの凧揚げでは、金属製やビニール製(切れにくい素材)の凧紐を使用しないようにと発表しました。凧紐は通常の糸紐で作らなければならず、従わない参加者は警察に引き渡され、金属紐の違法な製造・販売を行っている卸売業者も立件されます。
春の季節が近づくと、パキスタンの人々はバサントの凧揚げを盛大に華やかに祝います。春の自然の美しさが祭りに加わり、色とりどりの凧を空に揚げて季節の始まりを祝います。このイベントを見るために海外から多くの観光客が訪れます。バサントの凧揚げは、パキスタン国内の人々だけでなく外国人にとっても楽しいイベントです。