さな
詩集
ショートショート
とあるくらしの詩
四季の自然を感じていると、突如として昔の記憶が断片的によみがえったりすることがある。 特…
からっぽの四季のコントラストも ぎゅうぎゅう詰めの騒がしい彗星も 傾け得るちいさな雨のよう…
背負いすぎた明滅にようやく触れてわれそうな よくある随一の三色でこれまでさえもあたため あ…
めくりつづけて溶けた飴色と 1μふみだしたさっきのほぼ前世 心音で煮詰めて 掬っては透かし…
いそがしい いそがしい 栗の花の風に晒されて シロツメクサが待っている この身一つの暮らし…
かたちのふしぎに慣れたらな 雨を呼び込み弾むからだ 地理にのみこまれるように たからのやま…
お互いさまの甘く曲げたねつしせん ねこなで声の一番隅でいつでも ゆりかごみとめあえていたき…
薄緑のスズメノテッポウが光りながら波打っていた田んぼに、水が張られてカエルの合唱が始まっ…
蒸気が立ち上る 視野の袖引かれるままに 誰かいるのと首をやる 爽やかに匂う湯気 身で皮で吸い…
4月も後半になり、そろそろ春の暖かさに体が慣れてきた。起きがけの布団の心地よさでそこから…
かぼちゃとわたとどんぐり 種の照りに発芽を夢見る土 透明になってもちぎれずに おじぎとなら…
ぎんいろにうねる 眩しい足跡を追った 大画面のやわらかさを じきにひび割れ堰切る粒子 鏡とな…
あなたからなんだよ こんなにも豊かなページ捲れる わすれていた写真は動かせないね ほんもの…
かつてはぬくいなみのように いるだけでみとめあえたのかもしれない たびじにあまいこきゅうふ…
はんじゅくたまごのオムライスまで あまずっぱくぬるくする あんなにまっかでひんやりなの あ…
窓をあけた気がしたんだ 内が外になる微温い春のお通り とびでないわけにはいかなくて ゆびに…