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住みか

真っ直ぐに北風が吹く薄日に

つかの間 

冬麗のごとき布に包まれて

穏やかな晴れ間が差した

風に乗って雑木林の木の葉が

いっせいに落葉していった

冬空に貴重な

鮮やかな青の中に

色褪せた赤茶きいろの葉が

舞い上がり

光のキャンバス一杯に広がった

素晴らしい舞台の

フィナーレみたい

カラッからに乾いた葉が

身軽になった葉が

冷たい北風に吹かれて

私のもとにハラリと飛んできた

思わずこの手にキャッチした

一瞬

蜃気楼にも似た錯覚の中で

あの人のウタが胸に甦る

あの人のウタが

心の中にまだ息ずく奇跡を思った

木の葉はいずれそっと地におりて

チリとなって行くのでしょう

また

少しでも団子虫の餌となり

土に帰っていくのかな

この冬美味しい焼き芋を焼く

熱にもなれる

あの人のウタは

私の心に不思議と息ずいて

教えてくれる

儚き人の命の住み処は

どこですか

「心の隅っこ」

憧れている 今でも

憧れている

あなたの様にウタを詠いたい

0.001ミリでもあなたに

近づきたいと

まるで

一筋の光を目指す虫のように

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