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おくりもの

人からものをもらった時、袋をあけるのに時間がかかる。
そして、袋をあけたらまずもらったものを、顎に当てちゃう癖がある。

人にものをあげる時、選ぶのに一ヶ月くらい時間がかかる。
でも会ったら我慢できなくて、雰囲気も考えずすぐ渡しちゃう。

誕生日とかクリスマスとか母の日とか卒業祝いとか、
何かしら理由がある時もそうだけど、
何でもない日に「これ喜ぶかなあと思って」って渡されると嬉しくて恥ずかしくてちょっと泣きそうになっちゃう。

ものを見て、顔を思い出して、渡したときの会話を想像して、
悩んで悩んで、レジに並んで、プレゼント用でって伝えて、
大事に家に持って帰って。

その時間が渡す人に対する気持ちのかたまりで、もらう方でも渡す方でも歯がゆくて嬉しくて大好きな時間だなあ。

でも、きれいな気持ちだけ詰まってるわけでもなくて、
やっぱりどんどん関わる人間が増えていくと、
義務的に渡す機会が増えたり、言葉だけじゃどうにもならない関係を変えるためにものをあげて気持ちを惹こうとしたり、満足いくものがもらえなくて関係がぎくしゃくしちゃったり、人間のちょっと汚い部分というかエゴみたいなところも露になっちゃったりする。

6歳くらいの時、誕生日におばあちゃんとおじいちゃんからおっきな箱を渡されて、「こんなおっきい箱だからおっきいおもちゃが入ってるんだー!」ってわくわくしながら箱を開けたら、おっきいお鍋が入ってた。
「これでママとおいしいものたくさん作るのよ」って言われて、その時は多分ぜんぜん嬉しくなかったんだろうけど、小さいときにもらったもので唯一それだけを鮮明に覚えてる。なんでお鍋!

歳を重ねると、相手の思惑に敏感になったり予算を考えたり実用性を考えたり、真ん中にある気持ちがちょっと置き去りになっていっちゃうのかなあ。

お鍋は6歳の私には正直まったく必要ないものなんだけど、期待を裏切られたのと、きっと簡単に喜んだであろうおもちゃじゃなくて、一緒に料理してほしいなとかおいしいもの食べてほしいなとか、分からないけどそんな気持ちがあったかくて今でも私の体に記憶が染み付いてるのかもなあ。

おくりものってプレゼントよりもなんか謙虚な感じ。
大切なひとに、一生懸命働いて稼いだお金で、おくりものをしたい。
義務であげなきゃいけない時も、それがきっかけでちょっとでも距離が縮まったらいいな。
子どもができたら、私もお鍋あげよっかな。

最後に、おくりものって聞いて2人の顔を思い浮かべた時に出て来たポケモンの技の効果を書きます。

デリバード プレゼント
【40%の確率で威力40、30%で威力80、10%の確率で威力120になり、20%の確率で相手のHPを最大HPの1/4回復する。】

次のお題は、髪の毛!

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