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「熱海の土石流 現地を見た地質学の専門家が指摘する危険性とは(静岡県)」に対して書いてみる。

大変なことになっているね。

俺も一応、砂防の専門家だから、ちょっと考えることを書いてみるね。

色々な記事のコメントを見ると、上流側にメガソーラーが。。とかいう人がいるけど、それだけを悪者にするのは無理があるね。

土石流っていうのは水を集める沢状の急峻な地形がないと起こらないからね。源頭部で雨によって崩壊が発生して沢に土砂が堆積し、それが雨によって増水した水とともに流れ下るのが通常の土石流。一般的に川の勾配が3度くらいになれば自然に土石流は止まると言われているね。

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今回の場合、火山性の堆積物が周囲に分布していたらしいので、大雨で緩んだ地盤が比較的大規模に崩壊し、一気に流れ下ったんだと思うけどね。ちゃんとした川じゃなくて、沢がはっきりしていないか、深さがないから、どこかの地形変化点で道路の方に流れてしまったんだろう。

原因については、上流で作ったメガソーラーが悪いなんて言ってる人がいるけど、それだけじゃないね。地質的地形的背景と、今回の線状降水帯による大雨がメインの理由で、間接的な理由で開発行為があったんだと思う。開発することで地表が露出するんで、雨水が浸透しにくいことはあるけど、そこが崩れてないんであれば、直接的な原因とは言えないんじゃないかな。

あと、降雨も瞬間的に降るものよりも、ずっと連続的に降る方が危ないね。断続的な雨が降って、24時間降雨量が100mmを超えたりすれば、土の中の間隙が飽和して崩れやすくなっているから、たとえ晴れても危険な状態は続くからね。今回もそういう誘因があったんじゃないかな。

ほんとにみんな全く興味がないんだけど、俺も関わったこともあるハザードマップ、ほんとにだーれも見ないんだこれが。今回のエリアも土砂災害警戒区域になっていたらしいんだけど、多分、該当する沢は土石流危険渓流になっていたんじゃないかな。

この土石流危険渓流って結構軽視されている。普段はドブ川やただの側溝にしか見えない沢だったりするところも多いからね。でも、指定されているということにはちゃんと理由がある。危ないから指定されているからね。必ず地形的に危なかったり、過去に災害の履歴があったり、豪雨で溢れたことがあるから土石流「危険」渓流なんだよね。ちゃんと沢沿いに看板があるから注意が必要だね。

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もうね、そういう指定の基準も雨の強度も今までの常識が通用しなくなっているから、今は行政の方で色々改訂されてきてるんだよね。自分の身は自分で守るしかない。俺が見ていても危ない住宅地はたくさんあるからね。ぜひ、家を買うときなんかは専門家の意見を聞いた方がいいと思うね。山や斜面の近くだから必ず危ないってわけじゃないから。

今回のように比較的脆い堆積物や火山灰、マサ土の分布域じゃなくて、硬い岩盤の分布するエリアなんかは意外と大丈夫だったりするからね。自分でちゃんと調べて人任せにしない。自己防衛が大事な時代になって来ている気がするね。

災害に見舞われた方々はもちろん心配だけど、俺みたいな建設コンサルの人が夜通しで対応してるはずだからそっちも心配だね。中越地震の時なんて巨大な地すべりの前に1人呆然と佇んていたこともあったしなあ。

まとまらない散文で悪いけど、つまりは他人事と思わず、災害には気をつける。そして、危ないと思ったら逃げるということが大事。

一応避難したけど、やっぱり大丈夫だったじゃん。それでいいんです。


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