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秘伝!商標登録の極意~弁理士は必要?~

巷には数多くの商品/サービスが存在し、それらのほとんどは、商標未登録のまま販売/使用されています。昔ならばリスクは低かったのですが、インターネットが普及し、万人のSNS等を用いた発信や検索が可能になった現代では、商標未登録ゆえの販売停止や使用料請求といったトラブルが相次いでいます。

私は日本全国の中小企業の経営支援を行っています。顧客の皆様が扱う商材は、それぞれ昆布・菓子・練物・酒など多岐に渡ります。中小企業や個人事業主は、特許や知的財産などに目を向ける人的余裕が無いというのが実情です。しかし、心血を注いで産み出された品々の権利を確保することは現代の情報社会における重要な業務だと考えた私は、商標権の勉強を1から始め、経営支援先の商標登録の手続きに取り組んできました。


綿密な調査と実際の手続きを経て、一般の方には知られていない、商標登録におけるルールを理解しました。また、弁理士や特許庁が前提としているルールを踏まえ、私が手続きの中で経たノウハウを駆使すれば、誰もが弁理士に依頼しなくとも高い成功率で出願できるという学びを得ました。

そこで、本記事では、商標の基本事項から自力で出願するための秘伝や意見書のフォーマットに至るまで、専門職でないからこそ書けることをあますことなく盛り込みました。


本記事の主な対象者は以下です。
①自力での商標登録を検討している企業や個人事業主
②経営支援先に商標登録を提案したいビジネスマン

①につきましては、弁理士への依頼費用を懸念しておられると存じます。
自力で商標登録をした場合、平均10万円程度の経費削減となります。

商標登録にかかる基本費用
出願料:3,400円+(8,600円×区分数)
登録料:32,900円×区分数
※書面で提出した場合の電子化手数料:2,400円+(800円×書面のページ数)
※参考「国内出願に関する料金 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

弁理士へ依頼した場合の費用(平均)
先行商標調査:20,000円
登録出願:40,000円
意見書:40,000円
早期審査:30,000円
+成功報酬:20,000-50,000円
※実際の費用は弁理士事務所でお見積りください

②につきましては、商標登録を理解することで、顧客により広範で多様な経営支援を行うことができます。ビジネスマンとしての価値があがり、顧客獲得率の向上にもつながるでしょう。

また、本記事では、特許や知的財産のプロフェッショナルである弁理士とどのような関係を築くべきか、実体験に即した考えを記しております。




以下に記した内容は、専門職ではない私の個人的な学びではございますが、弁理士への確認を行っているため、信用に足る情報かと存じます。また、不安な点や疑問があれば、それらを確認する方法も記載しております。

秘伝① ~先行商標調査と拒絶通知書~

そもそも商標とは何でしょうか?

特許庁のサイトより

商標とは「商」品を区別するための「標」識=トレードマークです。
いつ販売/使用を開始したのかではなく、いつ商標登録をしたのか、によってを商標権を取得できます。したがって、老舗店舗の商品が新規店舗の商品の訴えで販売停止となるケースも起こりうるのです。

特許庁のサイトをご覧いただければ、事前準備や費用などの基本事項を確認できます。必要十分な情報がこのサイトで得られるので、本記事では見落としがちな注意事項、そして自力で出願に取り組む際の重要な考えをお教えします。まずは「先行商標調査」です。

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