新規開店したラーメン屋さんから学んだ「ちょっとしたミス」のフォロー
だれしも、どの業種でも、「ちょっとしたミス」は起こり得るものだろう。
起こってしまったミスは仕方ない。だからこそ、ミスをした直後に「どう行動するか」が、その後の印象を決定づけることが多い。
先日、新規開店したラーメン店に行ったとき、偶然その一端に触れる機会があった。
ちょっとしたミスが発生してからの謝罪、そしてそのフォローがスムースかつ非常に丁寧で、食べ終わった後にはまた絶対に行きたいと思えた。
ミスをして落ち込みがちな自分への備忘として、また、そんな後輩が今後現れた時の指導の参考として、ここに記しておきたいと思う。
なお、これはあくまでも個人の感想です。
1.始まりは「1枚のチラシ」から
ある日、帰宅して郵便受けを除くと、普段よく見る「住宅」や「バイト募集」などとは異なるチラシが入っていた。
「ラーメン店を新規開店します!オープン記念でラーメン1杯特別価格で提供します!(要約)」
調べてみると家からも近い。ラーメン好きの1人としてぜひ行ってみたい。
また、最近ではInstagram等での広告が多い中、あえて「チラシ」という手段を活用していることも個人的に好感度があがり、実際に行ってみることにした。
2.訪問…長蛇の列!
週末、実際に訪問する日が来た。
わくわくしながら11時半頃にラーメン店の近くに行くと…既に長蛇の列が。ここまでの列は以前行った「ラーメン二郎」以来見たことがないぞ…。
そう思った僕は、時間をずらせば多少は行列も短くなるだろうと仮説を立てた。そして、一度家に帰って家事を行った後、再び訪問することに決めた。
期待が高まる一方で、慣れない中で、「大量のお客様を休みなくご案内する」という従業員の方の「大変さ」には、頭が上がらないと感じた。
3.いざ実食、の際の「ちょっとしたミス」
家で洗濯と下味付け等を行った後、再びそのラーメン店に足を運んだ。
時刻は15時。とはいえ、まだ10人ほど並んでいる。いくらオープン価格とはいえ、ここまで人が来るとは。今後も人気店になりそうだ。
数分待ったのち、ついに自分の番が来た。
期待に胸を躍らせながら、食券を買い、席に着く。
目の前からは美味しそうなスープの匂いが漂ってくる。これはたまらない。
スープを入れ、背油やチャーシューを入れ、麺を入れて、来る!
…と思った瞬間、自分のもとへ来るはずのラーメンはクルッと方向転換をし、真反対の座席へと運ばれた。
あれ、注文したメニューは同じで、僕のほうが先に並んでたんだけどな…
しかも固めで頼んでいたから順番が入れ替わるとかないと思うんだけどな…
そう思っていた数秒後、今度こそラーメンが僕のもとにやってきた。
「すみません、順番を間違えてしまって…」
だれにでもミスはあることだし、次から次へと客が入ってくるカウンタータイプのラーメン店ではむしろ、すべての客の順番を正確に把握していることは困難な所業だ(と思う)。だからこそ、僕は「いやいや、気にしないでください~」と答えた。それで本件は終了と思っていた、矢先。
4.スムース、かつ丁寧なフォロー
お詫びに味玉をサービスいただけること、味玉苦手ではないかということ。
忙しいオペレーションの隙を縫って、スムースに確認をし、サッと味玉を入れてくださった。また、「ごちそうさまでした」を言った後にも、改めて謝罪の言葉をいただいた。
オープンして間もない中、行列が絶えず、常に動いているという状態。前の店舗で修行を積んでいるとはいえ、自分の店となると立場も責任も変わってくることだろう。そんな中、「ラーメンの順番を間違えてしまう」という「ちょっとしたミス」にも関わらず、お詫びのサービスに加え、退店時にもなお丁寧に謝罪をいただけるとは。店主の方のお人柄を感じる瞬間で、個人的には非常に好感が持てた。ラーメンの味が自分好みだったことも勿論あるのだが、この出来事が決定打になり、再訪してみたいと強く思えた。
一度ミスしたことでも、その後の誠実な対応で印象が全然変わってくる。
マイナスになり得たことでも、場合によってはプラスになることもある。
1杯のラーメンが、改めてミスの対応について考えるきっかけとなった。