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大きなノートに大きな文字で

 新宿は、豪雨。普段歌わない僕が、思わず熱唱しそうになるくらい荒れた天気だった昨日から一転、今日は梅雨の雲間から太陽が顔をのぞかせている。お出かけ日和だ。
 家のドアを開くと色濃く夏の気配。無計画に遠出を考えていたのだが、あまりの暑さに僕の固めた意志は簡単に溶けてしまった。電車で行ける近場にしよう。
 電車は素晴らしい環境だった。涼しくて人も少ない。流れていく景色がよく見えて、多くの看板があることに気がつく。「家族間の会話は、昔から無料です」。「私よりも、信号を見て」。「ハンバーガーは、飲み物」。ずいぶんと巧い言葉が並んでいる。もちろんこれにも感動したのだが、何より感動したのはそれらの文字の大きさだ。訴求力が勝手に強くなり、びっくりするくらい印象に残る。
 文房具店で一番大きなノートを買った。そして幼い頃のように、大きな文字で大好きなアーティストの歌詞を書く。信じられないくらい素敵だった。

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