【詩】二頭の馬

私の左胸には翼の生えた馬が
右胸には角の生えた馬が住んでいた
馬は二頭とも気性が荒く乱暴で
似た者同士だったから
私の心臓はいつも
どくどくとうるさく脈打っていた
ある日馬たちは
いっそう激しく争って
ついに両胸から飛び出していった
そして心は
どこまでも静かになった


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