【詩】低気圧だったから

天気予報が外れただけで何をすればいいのか分からないし、
昔好きだった人のことを何て話せばいいのか分からない。

ぼくたちはぼくたちの上に降り注ぐ雨の色を知り得るか?
水で洗えば、すべて綺麗になるとでも思っていそうな土砂降り。

低気圧だったから。
「また会いましょう」という社交辞令が、どうしても言えなかった。

知らない間に水溜まりができて、
知らない間に乾いた道路は、
きっと昨日と同じにしか見えない。

ああ、
あの時君が吐いた唾が降ってきそうな空だな。



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