【詩】風船が飛んでいくのを見ている

青い空、海の底のように青すぎる空に、
鮮やかな、混ざったことのない絵具のような色の風船が飛んでいく。
君が手を放したのは一度だけなのに、
私は何度も何度も、その風船が飛んでいくのを見ている。
瞳の奥で、脳の裏側で、心臓の端っこで、
あるいは名前も知らない器官のどこかで。
千回見送ったあと、千一回目の風船を眺めながら、
ああ、これが永遠なんだ、と思った。


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