【詩】胸の温度

「おかえり」と言われたら「ただいま」と言うしかない世界で、
相応しい返事を毎回探している。
欲しくもないものを「欲しがれ」と言ってくる人たち。
長い坂をのぼって、なるべく高い場所から町を見下ろすのが好きだった。
冷えた空気が胸の温度とちょうど同じくらいで、
このつめたい心のままでも、生きていていいような気がしたから。




読んでくださりありがとうございます。 サポートしていただいた分は、作品や文章の制作(材料・資料代など)に使わせていただきます。 よろしくお願いいたします。