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刹那的な幻術の上塗り

    • 海の陽炎(479)

      海の陽炎。 水の流れに身を任せる。未来へ必死に泳ぐ魚の隣で、私は海を漂うのみ。 濁りに身が包まれる。身体が汚れていくのを静かに感じる。 「プランクトン」 人間は私のことをそう呼ぶらしい。 名前なんてないのに。人間は名前がないと世界を認識できないらしい。 可哀そうだ、本当に。ありのままの美しさを知らないのだろう。常に何かに追われているんだ。 私は今日も漂う。漂うことでこの世界を知る。 成体と幼体。その狭間で息を吸う。 未来が浸透していく。つま先から色がついてい

      • ゴミを売るホームレス(971)

        ゴミを売るホームレス 彼に出会ったのは1か月前。眠れない深夜を徘徊していた時に出会った。 彼はいつも能天気に声を荒げながら笑う。その声がとにかくうるさい。耳が痛くなる。だけど、どこか奥深くに暗い感情が眠っているようで、私は今日みたいな眠れない日には、温かいコーヒーを片手に彼の所へ通っている。 彼の仕事はゴミを売ること。ゴミで作った陳腐な人形を売っている。 「誰がそんなもの買うの?」 彼は気持ちの悪い無精髭と共に口角を上げて答える。 「たまにいるんだ、物好きな人がね

        • 人間賞味期限(578)

          リク「人間には賞味期限がある・・・」 溶け始めた雪上を歩きながら呟く ミコト「ん?」 リク「人間には賞味期限があるんだ。流行りと廃り。断続的な運命を人は進んでいるんだ」 ミコトは不思議がりながらリクを見つめる リク「出会いと別れは単一的なストーリーでしかないんだよ。ゲームみたいなものさ。ひとつの面が終われば、次の面が始まる。繫がりがあるようでない。ないようである。その繰り返しなんだ。」 ミコト「それは私との出会いも?」 リク「うん。これは抗えない地球のルールだか

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          国破れて山河在り(452)

          深い夢から目が覚める。黒く冷たい深淵。体の暖かさを感じる。 「ねえ、私は今生まれたの?」 天井を眺め、考える。煙草の煙で黄ばんだ天井を。 あの時、あの瞬間、私は壊れた気がする。全てが始まり、全てが終わった場所。 「消えたい」 静かに呟く。 私は何を手に入れたのだろうか? 疲弊しきった心の裏で溜息をつく。 ここが出発点。人生2週目の始発。 手持ちのアイテムはゼロ。歪んだ景色だけが広がっている。 『この世界は私の世界』 よく言ったものだ。目の前に広がる景色は

          国破れて山河在り(452)

          sho-doと化す前夜

          私は10回ほど経験してやっと学ぶことができるタイプの人間である。以下の文章は全て衝動的に書いたメモ。個人的に気づいたこと(得た知識)は私的な場では能動的に人とのコミュニケーションを行うべきではないということ。基本攻め手に責任が生じるものであり、受け手には責任が生じない。 つまり、NARUTOにおけるサスケと同じ思想である。「繫がりが苦しみを生むのであれば、その繋がりを断ち切るべき」という考えである(繋がりとは思っていないがフォロー&フォロワーという構造を繋がりだとする文化も

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