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中村研究室のゼミと運営の工夫

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#研究室

[研究室ゼミ] 研究テーマ交換プレゼン

ようやく複数回実施して、良さ整理できてきたので改めて(過去の記事はこちら)。 学生さんの様子を見ていると、自身の研究について、そのアイディアを思いついて取り組み始めたときにはオモシロイと思っていたのに、徐々に「あれ?これなにが面白いんだろう」と思ってしまいがちのように思います。また、研究について何度も語っていると、このテーマについて初めて聞くひとの気持ちがだんだんわからなくなり、導入の重要なところを飛ばして説明するようになってしまって、結果的に納得性の低いものになっていたり

[研究室運営] Scrapboxを使った研究室の情報共有のススメ

研究室でしっかりと情報共有がなされているところは思った以上に少なく、先生だけが重要な情報を知っている、秘書さんだけが全容を把握している、あの先輩だけがあの高価な機器の使い方を知っている、しっかりもののあいつだけが頼りみたいなことになりがちです。 で、先生が忙しくなりすぎると情報が降りてこなくて困る、秘書さんが辞めると情報が消失して破たんする、先輩が卒業すると誰もあの高価な機器を使えず廃棄まっしぐら、しっかりものの学生さんに負荷が集中して不満がたまるみたいなことになりがちです

[研究室運営] 卒論・修論に一筆添えてご家族に送付

ゼミの話じゃなくて、これは今では特に教育効果はあんまり考えてなくて、半分自分の趣味になりつつあるのですが、研究室を運営されている方に超おすすめなので紹介します。 目的学生さんのスポンサー様に、学費(明治大学総合数理学部だと学部で約600万円、大学院合わせると750万円くらい)を出して通わせた甲斐があったな。うちの子はこんだけ頑張って成長し、力をつけたんだなと喜んでほしい。あと、修士に進学する学生さんの後方支援をお願いしたい。 実施方法卒論が終わった学生さんには、卒論とこれ

[研究室運営] 研究成果はオープンアクセス化

下記の記事にも関連するんですが、 やっぱり学会発表して終わりはもったいないです。情報処理学会などで会員でないひとは(研究会の原稿の場合は、研究会の会員でない場合は)その論文を2年くらいお金を払わないと読めません。まぁ、そのひとにとって読む価値のある論文ならいいんですが、お金払って読んで大したことなかったじゃショックも大きいと思うのでなかなか読んでもらえないと思います。 あと、恥ずかしながら科研費に落ち続けてる私にとって、企業さまからの共同研究費をいただくのは研究室を回して

[研究室運営] 学会発表したら研究室のウェブサイトに記事を書いて報告

中村研究室では、学生さんに1年間に1回の発表が義務付けられています(3年生は先輩のテーマを継承して発表)。いつも、色々な研究会や学会などで発表させていただいており、本当に感謝しております。 ただ、せっかく学会発表まで一生懸命研究に取り組んで発表しても、発表の場にいる人たちに聞いてもらってフィードバックをもらっておしまいだけじゃもったいないなといつも思っていました。教員とは異なり、学生さんで同じネタを2回別の場所で話す機会は、合同研究会などを除きなかなかありませんし。 目的

[研究室ゼミ] 合同研究会で研究室を超えた交流

問題意識研究室に閉じこもって研究していると、仲間が限られてしまいますので、それ以上の広がらない。もちろん、学会発表することで色々な意見をもらうことができるが、多くの学生さんにとって、ある研究について学会発表すると、それでおしまいということも珍しくない。また、研究着手段階などでは色々な意見をもらうことができない。あと、教員が1人だと偏った意見・思想になりがち。 目的世界を広げてほしい。また、色々な場で発表し、自分の研究にフィードバックを得てもらいたい。特に、研究成果が出ていな

[研究室ゼミ] 研究テーマ交換プレゼン(模索中)

一度やって効果はかなりあったのだけど、実施するのに時間がかかるため、ゼミ内で完結するいい方法が思いつかず二度目がまだ実施できていない「研究テーマ交換プレゼン」ゼミ。誰か良案だしてくれないかなと、過去にやった記録を残しておきます。 問題意識自分の研究テーマについてプレゼンすると、自分の思い入れのある部分、苦労した部分を中心に話しがちで、他人から見て面白い部分が伝えられていないことが多い。また何が面白いのかもわからなくなりがち。 目的その研究に対してフラットな印象しかない他人

[研究室ゼミ] 卒論・修論の学生さんによる査読

卒論・修論の締め切りが近づくと多くの研究室では悲壮感漂ってると思います。中村研は研究室内締切がクリスマスのちょっと前あたりに設定されており、そこまでみんな頑張って原稿を書き続け、締切間際に提出してくることになります(で、そのまま忘年会に突入するため忘年会はぼろぼろになりがちです)。 私は、学会などに投稿する原稿は細かく赤入れをしつつ丁寧にチェックして、修正してもらって、赤入れして、修正してもらってというやり取りを何度も繰り返しますが、卒論や修論は単著ですし、その文章も審査対

[研究室ゼミ] 他人の関連研究探しゼミ

卒論とか修論など研究に取り組んでいて、自分がやってる研究の関連研究が見つからなくて困ることが多々あります。で、学会発表したときなどに、「この研究知ってる?」「これ引用していないよね」と似ているものを提示されて、「うげぇ」となって死にそうになります。私も学生時代に経験あります。 さておき関連研究探しなんですが、探しているときにはなかなか見つかりません。そして研究についてほかの人(教員など)に話した時に、その人がその場で検索して、すぐにそれっぽいものを見つけられてしまって「こん

[研究室ゼミ] ペアプレゼン質疑

こちらもまた他の研究室のゼミでは見かけないけど、中村研ではやたらとやる機会が多いペアプレゼン(ペアのショートプレゼン)。 目的研究室のすべての学生同士がコミュニケーションを取れるよう(誰とでも話したことがあるよう)にする。研究室の学生がお互いに何をやっているかを知る。自身の研究テーマを繰り返しの練習で短時間で説明できるようにする。何度もプレゼンすることで勘所を掴み、ショートプレゼンをブラッシュアップする。先輩の研究であろうが気軽に質問できるようにし、わからないことはわからな

[研究室ゼミ] 論文のペアリーディング

ここ(学生30人に教員1人の研究室運営について(2017-2019))にも部分的に書いているのだけれど、中村研究室のゼミでやっていて、ほかの研究室ではあまり見かけないものを紹介していってみる。 最初は「論文のペアリーディング」。これはもともと下の記事にあるペア読書という方法を見てああこれ論文でやったらおもしろそうだなと思ってやってみたもの。 目的学生さんにもっと気軽に論文を読んでもらいたい。論文を読むときにわからなくて詰まって悩みまくって読み進まないのではなく、まずはざっ

研究室運営を支えるWebサービス

中村聡史研究室における運営のあれこれの試行錯誤については、こちら(学生30人に教員1人の研究室運営について(2017-2019))に書いているのですが、研究室を運営するうえで利用しているWebサービス(研究室運営を支えるWebサービス)には色々な工夫があるので、noteの練習がてらこちらに投稿。 ちなみに研究室運営において重視しているのは学生さんの成長と研究活動であり、そのために知識や成果、各種情報の蓄積と共有、コミュニケーション(指導、各種依頼など)、情報発信が重要となっ