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電脳民俗学

◯です。

自粛期間、密、この言葉にはみなさんもう慣れたでしょうか?

様々なイベントが感染症の影響で中止を余儀なくされています。

それは伝統にも当てはまることで、豊穣や祈祷を目的としたお祭りなんかは中止を余儀なくされているところもあります。

ただし、伝統は生かしていかなければならない。

そこで、現代に順応した伝統は誕生しました。

これまでから現代に順応してきた伝統から、これから順応していく道を切り開いた伝統。さまざまです。

そんな、進化した民俗学っぽい事例について今日は簡単に、ざっくりお話していこうと思います。


無音盆踊り



これは、これまでにあった事例。

無音盆踊りがあるのはご存知でしょうか。

愛知県東海市で、2009年より行われてきました。

技法としては、まず全員が携帯ラジオを持ち、そこから流れる音楽をイヤホンで聴きながら踊ります。

周波数は2種類に分かれており、踊りによって輪が二つできます。

この踊りの様は、無音ながらも圧巻であり、砂の擦れる音やシュールさが、なんとも言えない感覚にさせるようです。

この方法により騒音被害を抑えるだけではなく、蜜を防ぐことだって可能なわけです。

新たな普遍的日常が生まれる中、順応してきた伝統がこの無音盆踊り。

変わる世界の中で、文化をまもる大切な事例であると思います。



バーニングマン


バーニングマンとは、アメリカのネバダ州、ブラックロック砂漠にて開催される祭りです。

参加者には一週間の時間が与えられ、その間に交流や表現を生み出し、参加者同士で切磋琢磨しながら何もない場所で生き延びます。

そして、一週間が経過したらそれらを無に帰す。

バーニングマンと呼ばれる所以は、コミュニティの象徴として初日から存在する人の像を、最終日に燃やすことからだそうです。

そんなバーニングマンは、この感染症化の中でバーチャル化することで順応しました。

8つのプラットフォームを形成し、参加者はVRやパソコンから参加、そして自己を表現していきます。

つまりは、自身のアバターに体験を委ねるという形になったのです。

電脳世界の中で、アバターに体験させることで、自身もあたかもその場にいるような一体感を得る事ができ、なにより参加したようなインプットを得る事ができる。

これぞ電脳民俗学っぽい事例だと、なんとなくぼくは思いました。

順応と進化、両方を感じることができる事例でした。



電脳伝承


民俗学と言えば、民間伝承。

昔話やおばあちゃんの知恵袋のようなノウハウを、口頭で子孫に繋いでいく。そのような方法です。

そこから、昔の人の暮らしであったり、伝説を知ることができます。

ナウシカの大婆様が子供たちに青き衣をまといて〜って伝説を語るシーンは、まさに民間伝承と言えるでしょう。

そんな民間伝承は、この感染症流行以前から電脳の中で行われてきました。

その要因は、掲示板や2ちゃんねるなどの誕生にあります。

きさらぎ駅や鮫島事件、このような都市伝説のようなものは、すべてインターネットにおいて生まれました。

このような伝説が、現代に合わせて作られ、そして語り継がれてきているのです。

拡散性も高く、語り継がれていくことは必須です。

今までの口頭伝承以上に、伝承されていくのです。

このような伝承のあり方も、この後ますます広がっていくことは確実でしょう。


さいごに


最近色々と未来を考える本を読んだり、曲を聴いていたりしたため、今までとこれからの順応なんかに興味を示しています。

今日ざっくりとですがお話したのは、民俗学に結びつけたお話。

伝統って、変わらないものなイメージがつきがちですが、本日は文化を守ることにあると思うんです。

変わらない風潮でも、変わらなければいけないときがある。

そんなことを感染症下において考えなくてはいけないのかなって思いました。

無音盆踊りと電脳伝承は、テクノロジーの発展に順応した結果。

バーニングマンは、これからに順応する結果。

いま現在、文化は新たな局面を迎えているのかもしれません。

これまでの伝統、これからの伝統。

どちらにせよ、文化を守ることが第一だと思っています。

◯でした。

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